セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 107 重症急性膵炎に対する持続動注・持続血液濾過透析同時併用療法の治療成績 |
演者 | 船越真木子(西神戸医療センター消化器科) |
共同演者 | 三村純(西神戸医療センター消化器科), 吉岡正博(西神戸医療センター消化器科), 真下陽子(西神戸医療センター消化器科), 岡本佳子(西神戸医療センター消化器科), 足立友香里(西神戸医療センター消化器科), 林幹人(西神戸医療センター消化器科), 井谷智尚(西神戸医療センター消化器科), 小森英司(西神戸医療センター消化器科), 桑田陽一郎(西神戸医療センター放射線科), 藤堂彰男(有馬温泉病院内科) |
抄録 | 【緒言】我々は重症急性膵炎に対して膵酵素阻害剤及び抗生剤の持続動注と持続血液濾過透析を同時に施行し良好な成績を得ているので報告する、【対象】2001年9月から2007年10月までに16人のべ18症例の重症急性膵炎を経験した.内訳は男性13人女性3人で年齢は25歳一78歳平均48.7歳であった.厚三省の診断基準による重症度スコアは2点一18点であった.【適応】当科では急性膵炎の症例は腎機能や全身状態に関わらず全例に造影CTを行い膵実質の血流を検討し原則としてCT gradeIII以上かつ全身状態が重篤な症例に対し以下の内容の治療を行っている.【治療】全例集中治療室(ICU)へ収容し膵酵素阻害剤(メシル酸ナファモスタット)と抗生剤(イミペネム)の持点動注と同時に持続血液濾過透析(CHDF)を行った1例では呼吸管理を要した.【結果】全例救命しえた.持続動注の期間は4日一9日平均6.0日であった.CHDFは3日一20日平均6.6日であった. ICU入室日数は4日一38日平均10.0日であった軽快後3例に仮性嚢胞がみられたがドレナージを要することなく保存的加療により消失した.腹腔内膿瘍形成は1例由みられたが経皮ドレナージで軽快した.開腹例はなかった.【考察】2007年3月に急性膵炎の診療ガイドライン第2版が出版された.これによると2003年の第1版出版以来4年間に急性膵炎の死亡率も7.2%から2.9%に改善しているという.しかし未だに重症例の死亡率は8.9%と高率である.当科では2002年以降の重症急性膵炎症例18例において最重症例も含めて全例救命しえた.このことよりICU管理下での膵酵素阻害剤持続動注と持続血液濾過透析が極めて有効である可能性が高いと考える. |
索引用語 |