セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 110 ヒト膵癌細胞株におけるBone morphogenetic protein 4によるEMT誘導経路の検討 |
演者 | 濱田晋(東北大学病院消化器内科) |
共同演者 | 佐藤賢一(東北大学病院消化器内科), 廣田衛久(東北大学病院消化器内科), 菅野敦(東北大学病院消化器内科), 海野純(東北大学病院消化器内科), 伊藤広通(東北大学病院消化器内科), 下瀬川徹(東北大学病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】膵臓癌は臨床的に著しい浸潤傾向を示す事で知られているがその浸潤・転移に際してはEpithelial to Mesenchymal Transition(以下EMT)と呼ばれる細胞形態の変化が重要である.これまでの検討によりBone Morphogenetic Protein 4(以下BMP4)がヒト膵癌細胞腫であるPanc-1においてEMTを誘導しうる因子である事が明らかとなった.本報告ではEMTの誘導に関わるBMPシグナルの詳細について明らかにすることを目的とする【方法】ヒト膵癌細胞株であるPanc-1をリコンビナントヒトBMP4で刺激し下流のシグナル伝達経路であるSmadlp38ERKの活性化をウエスタンプロッティングにてまたBMP標的遺伝子であるMSX2の誘導をリアルタイムRT-PCRにて確認した.またsiRNAによるSmad4およびMSX2ノックダウン細胞株を樹立しBMP4によるEMT誘導への各経路の関与を検討した.【結果】ヒト膵癌細胞株Panc-1をBMP4で刺激することにより上皮性マーカーであるE-cadherinの発現低下と問裏窓マーカーであるVimentinの発現上昇が認められ細胞遊走能の面魂が認められた.BMP4刺激はリン酸化Smad1p38およびERKをPanc-1において増加させこれらの経路を活性化した.MSX2ノックダウン細胞株においてはBMP4刺激によるこれらのマーカーの変化は抑制されており細胞遊走能の充進も認められなかった.Smad4ノックダウン細胞株においてはBMP4によるMSX2の誘導が抑制されており定型的なSmad4を介したシグナル伝達経路がMSX2の誘導に必要であると考えられた【結論】BMP4によるEMTの誘導にはSmadの経路を介したMSX2の誘導が必要である |
索引用語 |