セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

112 Heat Shock Protein27(HSP27)のgemcitabine抵抗性誘導の機序解析

演者 田場久美子(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学)
共同演者 岩本早耶香(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学), 良沢昭銘(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学), 蔵満保宏(山口大学大学院医学系研究科プロテオーム・タンパク機能制御学), 中村和行(山口大学大学院医学系研究科プロテオーム・タンパク機能制御学), 坂井田功(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学)
抄録 【目的】浸潤性膵管癌は非常に予後不良な疾患である.切除不能膵癌症例への化学療法として現在単剤投与で最も有効な薬剤はgemcit-abineであるが1年生存率は18%と未だ充分なものではない.近年Heat Shock Protein27(HSP27)は様々な癌においてapoptosisを抑制し化学療法抵抗性に関与していると報告されているがわれわれの施設においてのプロテオーム解析でもgemcitabine耐性膵癌細胞株ではHSP27の発現が充乾していることが確認された.しかしHSP27がどのような経路でgemcitabine耐性化に関わっているかは未だ明らかではない.そこでtgemcitabine処理後の膵癌細胞株においてHSP27がどのようなタンパク質と結合し関与しているのかを明らかにしたい.【方法】各膵癌細胞株についてMTT法を用いてgemcitabine感受性株(MiaPaCa-2BxPC-3)及び耐性株(PK59)に分類した.これらの細胞株にgemcitabine処理を行ったのちタンパク質を抽出し抗HSP27抗体を用いて免疫沈降を行いSDS-PAGEで展開して得られたバンドを処理群及び非処理群で比較した.【結剰各膵癌細胞株においてgemcitabine処理群にのみHSP27と結合するタンパク質のバンドが数種類認められたこれらのバンドのひとつはα一actinと同定された.【結論】α一actinはHSP27の関連タンパク質でありgemcit-abine処理後のアポトーシスの経路において関与している可能性が示唆される.また残りのHSP27結合タンパク質も質量分析によって同定される予定であり今後HSP27のgemcitabine抵抗性への関与の機序解明が期待できる.
索引用語