セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

117 膵嚢胞性疾患に対する嚢胞液腫瘍マーカー測定および細胞診の意義

演者 澤井勇悟(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部)
共同演者 澤木明(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 水野伸匡(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 石川英樹(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 伯耆徳之(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 高木忠之(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 中村常哉(愛知県がんセンター中央病院内視鏡部), 田近正洋(愛知県がんセンター中央病院内視鏡部), 河合宏紀(愛知県がんセンター中央病院内視鏡部), 高山玲子(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 武田洋平(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 重川稔(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 小林佑次(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部), 清水泰博(愛知県がんセンター中央病院消化器外科), 山雄健次(愛知県がんセンター中央病院消化器内科部)
抄録 【目的】膵嚢胞性疾患は画像所見のみでは良・悪性の鑑別診断が困難な場合もあることから膵嚢胞液中の腫瘍マーカー膵酵素の測定および細胞診の有用性につき検討した【対象と方法】1997年4月から2007年7月までに当院で超音波内視鏡下穿刺吸引生検法(EUS-FNA)および術後採取した嚢胞眼中の腫瘍マーカー(CEACAI9-9CAI25)アミラーゼ(AMY)を測定した膵嚢胞性疾患42例(膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN>10例粘液性嚢胞腫瘍(MCN)14例漿液性嚢胞腫瘍(SCN)9例仮性嚢胞9例)嚢胞液細胞診を施行した膵嚢胞性疾患53例(IPMNI4例MCN12例SCN15例仮性嚢胞12例)を対象とした.悪性疾患は9例でIPMN由来浸潤癌5例粘液性嚢胞腺癌4例であった2群問の比較はMann-Whitney’ s U testを用いp〈0.05を有意差ありとした.【結果】MCNは腫瘍マーカーが高値を示しIPMNSCNとの比較ではCEACA19-9CA125が有意に高値で仮性嚢胞との比較でCEACAI9-9が有意に高値を示したMCNの良・悪性問の比較では粘液性嚢胞腺癌がCEA(mean士SE):492920.0±463054.4(ng/ml)と粘液性嚢胞腺腫(CEA:23566.6±21619.0(ng/m1))と比較しCEAが有意に高値であったSCNは腫瘍マーカーが即値を示しIPMNとの比較ではCEAが有意に低値でMCNとの比較ではCEACA19-9CAI25が有意に低値であった.仮性嚢胞はIPMNMCNSCNと比較してAMYが有意に高値であった.細胞診では悪性疾患に対する診断能は感度44.4%特異度100%陽性的中度100%陰性的中度898%撃墜率90.6%であった.【結論】膵嚢胞性腫瘍に対するEUS-FNAでは腹膜播種などの合併症が極稀に報告されており適応を慎重に考慮する必要はあるが嚢胞液中の腫瘍マーカー膵酵素の測定および細胞診は膵嚢胞性疾患の鑑別診断の一助になると考えられた
索引用語