セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

118 膵腫瘍症例における術前の超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診と術中腹腔洗浄液細胞診の検討

演者 佐藤匡記(福島県立医科大学医学部内科学第二講座)
共同演者 渋川悟朗(福島県立医科大学医学部内科学第二講座), 入澤篤志(福島県立医科大学医学部内科学第二講座), 高木忠之(福島県立医科大学医学部内科学第二講座), 若槻尊(福島県立医科大学医学部内科学第二講座), 今村秀道(福島県立医科大学医学部内科学第二講座), 高橋裕太(福島県立医科大学医学部内科学第二講座), 佐藤愛(福島県立医科大学医学部内科学第二講座), 池田恒彦(福島県立医科大学医学部内科学第二講座), 鈴木玲(福島県立医科大学医学部内科学第二講座), 大平弘正(福島県立医科大学医学部内科学第二講座), 引地拓人(福島県立医科大学医学部附属病院内視鏡診療部), 小原勝敏(福島県立医科大学医学部附属病院内視鏡診療部)
抄録 【背景】超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)による消化器疾患の診断についてはこれまでにその有用性が報告されているEUS-FNAによる膵腫瘍の正診率は良好な成績が報告されており当科で2001年1月から2006年9月までの施行した膵充実性腫瘍に対するEUS-FNAでは正調率が974%と良好な成績が得られているしかし生検診断自体の避けがたい合併症としてきわめて低率ではあるが癌細胞播種やneedle tract seedingが報告されている.今回はEUS-FNAを術前に施行した膵腫瘍症例の術中腹腔洗浄液細胞診の陽性率を調査しEUS-FNAによる腹膜播種について検討した.【対象】2004年12月置ら2007年8月まで術前にEUS-FNAを行い術中に腹腔洗浄液細胞診を施行した膵腫瘍10例【結果} EUSでの腫瘍径は11mmから90mm(平均32.3mm)FNAによる細胞診はadenocarcinomaが7例脂肪肉腫が1例class IIが1例細胞診は行わず術前の樹状細胞局注療法のみを行った症例が1例であった.穿刺回数は1~6回(平均3.9回)であった.手術所見による検討ではs因子陽性が2例陰性が8例rp因子陽性が5例陰性が5例であり最終診断は細胞診を行った症例のうちFNAでclass Hであった症例は腎癌の膵i転移でありその他は全例術前診断と一致していたまた術中腹腔洗浄液細胞診は全例class Iであった.【考察・結語】今回の検討ではEUS-FNAによる腫瘍細胞の腹膜播種は認めなかった今回の検討の対象に嚢胞性膵腫瘍は含まれておらず嚢胞性腫瘍に対するFNAによる腹膜播種の可能性についてはさらなる検討を要するが充実性腫瘍に対してはEUS-FNAは安全で正診率の高い有用な検査であると思われる.
索引用語