セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

122 ラットにおけるNSAIDs起因性小腸障害予防に関する検討

演者 依田有紀子(大阪医科大学内科学第二講座)
共同演者 梅垣英次(大阪医科大学内科学第二講座), 時岡聡(大阪医科大学内科学第二講座), 竹内望(大阪医科大学内科学第二講座), 竹内利寿(大阪医科大学内科学第二講座), 白石奈々子(大阪医科大学内科学第二講座), 榮樂周子(大阪医科大学内科学第二講座), 野口誉生(大阪医科大学内科学第二講座), 田中雅也(大阪医科大学内科学第二講座), 樋口和秀(大阪医科大学内科学第二講座)
抄録 【目的】インドメタシン(IM)などの非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)は胃のみならず小腸においても粘膜傷害を惹起することが知られているがその病態や障害に対する治療法・予防法については未だ明らかでない点が多い.近年カプセル内視鏡や小腸内視鏡の開発によりヒトにおいて小腸の観察が可能となり数多くのNSAIDsによる小腸粘膜傷害が発見されその予防と治療が重要視されている.今回我々はラットにおけるNSAIDs起因性小腸障害に対して消化性潰瘍治療薬や炎症性腸疾患治療薬で抑制できるか否かを検討した.【方法】雄性SD系ラットにIM(10mg/kg)を経口投与し24時間後に小腸を摘出し小腸粘膜に発生した損傷面積(mm2)を10倍率の解剖顕微鏡下に測定しその損傷面積の和を潰瘍係数としたランソプラゾール30100mg/kgオLメプラゾール30100mg/kgラベプラゾール30mg/kgは各々IM投与30分前に1回経口投与した.シメチジン100mg/kgファモチジン310mg/kgテプレノン300mg/kgイルソグラジン110mglkg豊山ベトナトリウム1001000mg/kgスルファサラジン3001000mg/kgメサラジン500m9!kgは各々IM投与30分前6時間後に2回経口投与した【結果】(1)ラットにIMを投与することにより小腸全域に散在性に様々な形態の潰瘍性病変が発生した.(2)ランソプラゾールテプレノンエカベトナトリウムイルソグラジンスルファサラジンはIMによる小腸病変を抑制した.(3)イルソグラジンによるIM惹起小腸傷害の発生抑制には粘液分泌促進による胃粘膜への細菌浸潤の抑制が関与すると推察された.(4)スルファサラジンの抑制機序に関して抗炎症作用と腸内細菌の変動が関与すると考えられた.【結論】IM起因性小腸障害を抑制する消化性潰瘍治療薬や炎症性腸疾患治療薬が存在する.それらの薬剤を網羅的に解析しながら臨床と基礎の両面からその病態解明を進めていく予定である
索引用語