セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 126 ダブルバルーン内視鏡(DBE)による小腸疾患・病態の解明-NSAIDs投与に伴う小腸疾患- |
演者 | 日山智史(関西労災病院内科) |
共同演者 | 小森真人(関西労災病院内科), 中田悠紀(関西労災病院内科), 戸田万生良(関西労災病院内科), 中村剛之(関西労災病院内科), 村田浩昭(関西労災病院内科), 伊藤善基(関西労災病院内科), 伊藤敏文(関西労災病院内科) |
抄録 | 【目的】上部消化管ではNSAIDsは胃潰瘍などの粘膜病変を惹起する.その機序は主としてCOX阻害によるPG産生抑制が関与することが知られている.小腸・大腸の下部消化管では消化管出血・腹痛・イレウスなどを呈する潰瘍・膜様狭窄など様々な病変とNSAIDsとの関連が報告されその血小板機能抑制作用の関与等が想定されているが特に小腸においては臨床的アプローチの困難性から十分な解析・検討はされていない.近年DBEやカプセル内視鏡(CE)により小腸へのアプローチが比較的容易になった我々はNSAIDs服用に伴う小腸疾患を中心にDBEによる小腸疾患・病態の解明の可能性につき検討した【方法】対象は2004年6月から2007年10月までに当院にてDBEを施行した162症例304件(経口的151件経肛門的153件).上記の症例を基にDBEによる小腸疾患・病態の解明の可能性につき検討した【結果】上部・下部消化管内視鏡検査にて出血源不明の消化管出血(OGB)症例としてDBEを施行した123症例中77例(63%)で出血源の同定が可能であった出血源として潰瘍・廉燗性病変が33例(43%)と最多で次いで血管性病変・発赤点16例(21%)腫瘍性病変11例(14%)その他8例(10%)であった.小腸外病変も9例(12%)認めた.潰瘍・康燗性病変33症例中NSAIDs服用症例は9例(27%)中でも低用量アスピリン服用症例は3例(9%)であり2007年9月の当院総:受診患者中の低用量アスピリン服用症例の率(16534人中750人4.5%)に比し有意に高かった.【結論】低用量アスピリンは消化管出血を引き起こす小腸潰瘍・廉燗性病変を惹起する可能性がある事が示唆された.NSAIDsによる小腸疾患の特徴(胃・大腸病変との相違も含め)さらにはDBEによるその他の小腸疾患・病態の解明の可能性について我々の知見を基に若干の文献的考察を加え報告する |
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