セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 128 カプセル内視鏡の前処置に関する検討 |
演者 | 江崎幹宏(九州大学病態機能内科学) |
共同演者 | 松本主之(九州大学病態機能内科学), 工藤哲司(九州大学病態機能内科学), 藤澤律子(九州大学病態機能内科学), 梁井俊一(九州大学病態機能内科学), 飯田三雄(九州大学病態機能内科学) |
抄録 | [背景・目的]カプセル内視鏡(VCE)は生理的条件下に撮影された画像を遡及的に判定する診断法でありその診断能は小腸内意の腸液・残渣の程度消化管通過時間等に影響される.そこで我々はVCE画質および通過時間に対するsimeticone(ガスコン(R))とmagnesium citrate(マダコロール㈹)の前処置の影響を比較した.[対象と方法]検査前日21時以降絶食としガスコン群は検査開始30分前のsimeticone200mg+水50mlの内服マダコロール群は検査開始3時間前のmagne・sium citrate34g+水900mlの内服により前処置を行った.過去3年間にいずれかの前処置でVCEを施行した104例中1)観察記間内に全小腸観察が可能で2)顕性出血や凝血塊貯留を認めず3)小腸切除歴のない76例を対象としガスコン群とマダコロール群における内視鏡の画質を比較した.画質の評価は通過時間で三等分した上部・中部・下部小腸について腸液の透明度および気泡・固形残渣の程度を4段階で評価しこれらの総和を4段階で総合判定した.さらに胃および小腸通過時間を2群問で比較した[結果]ガスコン群(n=40)とマダコロール群(n=36)で年齢性別基礎疾患に差を認めなかった.2幽間で画質を比較すると上部および下部小腸ではマダコロール群がガスコン群に比べて有意に腸液の透明度が高かった(順にp=O.OOIp=0.03)が気泡・固形残渣の程度はいずれの区域においても2群間で差を認めなかった。総合判定はマダコロール群がガスコン群に比べて有意に良好であった(p=0.03).一方晶群で胃・小腸通過時間には差異を認めなかった.[結論]VCEの前処置としてマダコロール投与でガスコン投与よりも腸液の透明度が向上し小腸観察能が向上する.しかし全小腸のVCE画質を改善するにはさらなる前処置の工夫が必要である. |
索引用語 |