セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

133 Portal hypertensive enteropathyのカプセル内視鏡所見の検討

演者 梁井俊一(九州大学病態機能内科学)
共同演者 松本主之(九州大学病態機能内科学), 江崎幹宏(九州大学病態機能内科学), 飯田三雄(九州大学病態機能内科学)
抄録 [目的]Portal hypertensive enteropathy(PHE)におけるカプセル内視鏡(VCE)像の特徴を検討する.[対象]臨床上門脈圧面面症(PHT)を伴う肝硬変症と診断され小腸出血源の精査目的でVCEが施行された12例(男性5例年齢35~71歳).[方法]VCE画像を通過時間で3等分した上部・中部・下部小腸について浮腫状・粗造粘膜粘膜発赤angiodysplasia様病変蛇行した拡張血管静脈瘤様病変の有無を評価し病変出現頻度ならびに分布の特徴を検討した.また肝硬変症の重症度(Child Pugh分類)および食道静脈瘤portal hypertensive.gastropathy(PHG)portal hypertensive colopathy(PHC)の有無とPHEの病変像との関連について検討した.[結果]対象12例における肝硬変重症度Child Pugh分類A6例B 4例C 2例であった.12例中6例で食道静脈瘤ならびにPHCが確認され5例でPHGを伴っていたVCEは下血消失後0~25日目(平均6.3日目)に施行され小腸からの顕性出血が5例で確認された.VCE上粘膜発赤を9例蛇行した血管拡張を8例浮腫状・粗造粘膜とangiodysplasia様病変を4例静脈瘤様病変を3例に認めた.各所見のうち蛇行した血管拡張はいずれの区域でもほぼ同等に認められた(区域順に7例9例7例)が粘膜発赤やangiodysplasia様病変は上部・中部小腸における観察頻度が高く(区域順に8例8例5例)浮腫状・粗造粘膜は上部・中部小腸のみに確認された.なおPHE所見と他の消化管病変の頻度に明らかな関連は認めなかった.[結論]VCE上PHEの血管性病変は小腸全域にわたることが多いが口側小腸に偏在する粘膜発赤や浮腫状・粗造粘膜はPHEの内視鏡像の特徴である可能性が示唆された.
索引用語