セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 135 腸炎骨髄に存在する腸炎惹起性CD4+メモリー細胞による自然免疫系へのフィードバック機構 |
演者 | 根本泰宏(東京医科歯科大学消化器内科) |
共同演者 | 金井隆典(東京医科歯科大学消化器内科), 亀山佳織(東京医科歯科大学消化器内科), 篠原玉子(東京医科歯科大学消化器内科), 藤井俊光(東京医科歯科大学消化器内科), 富田貴之(東京医科歯科大学消化器内科), 岡本隆一(東京医科歯科大学消化器内科), 戸塚輝治(東京医科歯科大学消化器内科), 渡辺守(東京医科歯科大学消化器内科) |
抄録 | [背景と目的]炎症性腸疾患の免疫病態では腸内細菌による上皮細胞好中球マクロファージ樹状細胞の活性化(自然免疫系)とそれに続発する腸炎惹起メモリーCD4+T細胞による疾患記憶(獲得免疫系)という自然免疫→獲得免疫への連携が重要である.一方臨床病理学的に古くから炎症性腸疾患重症化に伴い好中球浸潤を随伴することも知られており腸炎成立後においても獲得免疫と自然免疫との密接な連携が存在することが推定される.我々はすでに骨髄の腸炎惹起性CD4+メモリーT細胞リザーバー能を報告している.今回腸炎骨髄CD4+T細胞が自然免疫系造血に及ぼす影響を検討し獲得免疫→自然免疫への逆クロストークについて追求した[方法]CD4+CD45RBhigh移入SCID慢性大腸炎マウスにおいて各臓器での造血系および自然免疫系の変化を検討した[結果]腸炎骨髄でCD4+T細胞はGr-1陽性細胞と密接し正常マウスおよび未移入SCIDマウスに比較して著明にCDllb+Gr-lhigh Wa粒球系の造血が充進しさらに末梢血脾臓の好中球増多が認められた.腸炎の経時的各臓器の穎粒球数の変化を検討したところ病初期のみならず骨髄CD4+T細胞の増加に相関して骨髄穎粒球の増多が認められた.また腸炎骨髄CD4+T細胞のサイトカイン分泌能の検討ではIL-3IL-17GM-CSF二面球造血系サイトカイン産生の著明な充進が認められた.さらにコロニーフォーミングアッセイを用いて腸炎マウスと正常マウス骨髄CD4+T細胞が直接造血系に及ぼす影響を検討したところ腸炎骨髄CD4+T細胞によるMyeloid系造血の著明な温語が認められた.[考察]腸炎惹起性CD4+メモリーT細胞には骨髄を介し出血球を中心とした自然免疫系の動員を誘導する獲得免疫→自然免疫への逆クロストークの存在が示唆された. |
索引用語 |