セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

137 腸間膜リンパ節マクロファージにおけるサイトカイン産生への脂肪酸の影響

演者 栗原千枝(防衛医科大学校内科学第2)
共同演者 穂苅量太(防衛医科大学校内科学第2), 松永久幸(防衛医科大学校内科学第2), 竹林晃一(防衛医科大学校内科学第2), 岡田義清(防衛医科大学校内科学第2), 渡辺知佳子(防衛医科大学校内科学第2), 高本俊介(防衛医科大学校内科学第2), 川口淳(防衛医科大学校内科学第2), 永尾重昭(防衛医科大学校内科学第2), 伊藤和郎(防衛医科大学校内科学第2), 三浦総一郎(防衛医科大学校内科学第2)
抄録 【目的】脂肪摂取が炎症性腸疾患の増悪を引き起こす原因として脂肪吸収に伴い消化管の免疫能が修飾を受ける可能性が指摘されている.なかでもマクロファージ(Mφ)はサイトカイン産生源として重要な役割を果たすと想定される.Mφは分布臓器の違いにより異なる性質を持つことが知られるがその一因は単球から分化する際の誘導因子の違いに起因すると想定されている腸管には主にmacrophage col-ony stimUlati皿g factor(M-CSF)が存在するが慢性炎症下ではgra皿ilocyte-macr(》phage CSF(GM-CSF)が増加することが報告されている我々は脂肪酸のサイトカイン産生への影響がMΦの種類により異なる可能性があると仮説をたて2種類の異なるフェノタイプに分化したMφ(M型MφGM型Mφ)とマウス腸間膜リンパ節より単離したMφ(MLN-Mφ)に対する脂肪酸の影響について比較検討した.【方法】C57BL/6マウスの骨髄細胞からCDIlb陽性細胞を単離しM-CSFないしGM-CSF存在下でMφに分化させた.また腸間膜リンパ節よりMφを単離した.各Mφにラウリン酸アラキドン酸ドコサヘキサエン酸(DHA)を添加しサイトカインおよびToll-like receptor(TLR)シグナル関連遺伝子のmRNAを定量PCR法にて調べた.【成績】脂肪酸未添加時のMLN-MφはM型Mφと同様にTNFαmRNA発現が低くIL-10 mRNAが高発現であった.一方GM型Mφと同様にIL-6mRNAの発現が高かった.アラキドン酸による刺激でMLN-MφのIL-10 mRNA発現が低下しtDHAの添加によりTNFα兀一61nRNAの発現が低下した.しかしMLN-Mφの脂肪酸に対する影響の程度は骨髄由来Mφより少なかった.またTLRシグナル抑制に関連する遺伝子のmRNA発現はMLN-Mφで高かった.【結論】MLN-MφはM型MφとGM型Mφの混合した性質を有した.また脂肪酸への感受性の低下に関してTLRシグナルを抑制する選伝子の高発現の関与が考えられた.
索引用語