セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

140 潰瘍性大腸炎に対する制御性T細胞移入療法を目的としたin vitroでの制御性T細胞培養増殖および誘導法の検討

演者 隅田頼信(九州大学病態制御内科)
共同演者 中村和彦(九州大学病態制御内科), 金山兼司(九州大学病態制御内科), 酒井美佳子(九州大学病態制御内科), 井星陽一郎(九州大学病態制御内科), 村尾寛之(九州大学病態制御内科), 荻野治栄(九州大学病態制御内科), 吉永繁高(九州大学病態制御内科), 板場壮一(九州大学病態制御内科), 秋穂裕唯(九州大学病態制御内科), 高柳涼一(九州大学病態制御内科)
抄録 【目的】CD4+CD25+制御性T細胞(Treg)は免疫反応を制御し炎症性腸疾患(BD)治療への応用が期待される.我々は遠心分離式血球成分除去療法に加えて血球成分除去産物(LP)よりTregを分離し患者へ輸注する治療法血球成分除去・Treg移入療法を考案しそのために必要なLPからの無菌的大量Treg分離法を検討し本学会で報告した.しかし1回に分離できるTreg数は3×107~1.5×108であり治療効果を得るに十分な細胞数であるかどうかは明らかでない.今回我々はTregをin vitroで培養増殖後移入するTreg大量移入療法を開発するためTreg培養法・誘導法を検討した.【方法】UC患者からのしPよりCliniMACSシステムを用いて無菌的にTregを分離し抗CD3抗体+抗CD28抗体付着ビーズIL-2にて刺激し10日間培養増殖を行った.対照としてCD4+CD25『T細胞を用いた.またTGFβ1存在下で細胞を刺激・培養しTregの誘導についても検討した.培養細胞の数Treg特異的転写因子FOXP3の発現細胞の割合T細胞増殖抑制能を解析した.【結果】分離されたTregは約18倍に培養増殖しT細胞増殖抑制能を保持していた.またTGFβ1存在下にCD4+CD25-T細胞からFOXP3発現細胞が誘導され分離されたTregと同様にT細胞増殖抑制能を示した.【結論】UC患者からのしPより無菌的に分離したTregが機能を保持した状態で増殖可能であった.またTGFβ1によってnon-TregよりTregを誘導・増殖することが可能であった.今後培養細胞の安全性が確立されればTreg大量移入療法が施行可能となることが期待される
索引用語