セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 141 潰瘍性大腸炎における大腸粘膜内ナチュラルキラー受容体陽性T細胞の選択的減少とその意義に関する検討 |
演者 | 島本大(広島大学分子病態制御内科学) |
共同演者 | 上野義隆(広島大学病院光学医療診療部), 鬼武敏子(広島大学分子病態制御内科学), 鼻岡理恵(広島大学分子病態制御内科学), 吉岡京子(広島大学分子病態制御内科学), 畠山剛(広島大学分子病態制御内科学), 岡志郎(広島大学病院光学医療診療部), 吉田成人(広島大学病院光学医療診療部), 日山亨(広島大学保健管理センター), 伊藤公訓(広島大学分子病態制御内科学), 北台靖彦(広島大学分子病態制御内科学), 田中信治(広島大学病院光学医療診療部), 吉原正治(広島大学保健管理センター), 茶山一彰(広島大学分子病態制御内科学) |
抄録 | 【目的】ナチュラルキラー受容体陽性T(NKR+T)細胞は種々の自己免疫疾患に対し炎症惹起作用や抗炎症効果を発揮することが知られているが大腸粘膜局所に存在するNKR+T細胞の炎症における役割については未だ不明である.今回われわれは潰瘍性大腸炎(UC)における大腸粘膜NKR+T細胞の動態および役割につき検討した.【方法】大腸内視鏡検査が施行されたUC患者96例の下行結腸粘膜から生検を施行した.対照として内視鏡所見正常症例の大腸粘膜(n;18)より生検を施行した.内視鏡および組織学的所見はMatts分類に従った.コラゲナーゼ処理により大腸粘膜内リンパ球を分離しCD56またはCD161陽性T細胞(NKR+T)の頻度をフローサイトメトリー法にて算出しこれを炎症の程度と比較した.また細胞内サイトカイン法によりNKR+T細胞中のインターロイキン10(IL-10)産生細胞の割合を追究した.さらにNKR+T細胞の頻度と緩解維持との関係につき検討した.【結果】正常大腸粘膜内CD56CD161陽性NKR+T細胞はそれぞれ67%21.3%存在した.どちらの細胞群ともUC活動期粘膜でその割合は減少した.またその割合は内視鏡的組織学的炎症の程度と有意に逆相関したこれに対しCD56CD161陰性のconventional T細胞の割合は炎症の程度と無関係であった約4%の大腸粘膜内CD56陽性T細胞でIL-10の産生が認められた.緩解肥大腸粘膜内CD56陽性T細胞の低頻度群では高頻度群に比し有意に一年後の緩解維持率が低かった.【結論】UC大腸粘膜におけるCD56陽性NKR+T細胞の減少が腸管炎症の増悪に起因している可能性が示唆された. |
索引用語 |