セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 147 多変量解析を用いた大腸癌の細胞異型度とリンパ節転移の検討 |
演者 | 安田貢(香川県立がん検診センター消化器科) |
共同演者 | 青木利佳(香川県立がん検診センター消化器科), 北村晋志(香川県立がん検診センター消化器科), 林亨(香川県立がん検診センター消化器科), 板東玄太郎(香川県立がん検診センター消化器科), 山ノ井昭(香川県立がん検診センター消化器科), 山本洋介(香川県立がん検診センター病理) |
抄録 | 【目的1大腸癌において細胞異型度が低いものは脈管侵襲やリンパ節転移が有意に低いとされている.しかし最近では異型度に関する報告は少なく大腸癌治療ガイドラインでもほとんど考慮されていない細胞異型度は腫瘍の潜在的悪性度を映す指標であり元来最も重視されるべきものではないだろうか.そこで今回我々は浸潤大腸癌において細胞異型度を含めた数種類の浸潤部組織所見を見直し多変量解析を用いてリンパ節転移に最も関連する因子を検討し細胞異型度の重要性について考察した.1方法】対象は外科切除された大腸浸潤癌253例(sm52例pm38例ss90例sまたはa73例)である.浸潤部の細胞異型度組織型INF1yvbud・dingdesmoplastic reaction(DR)を検討しリンパ節転移(n)との関連を調べた.細胞異型度は核の形態と極性のみに注目し高異型度癌(円形一卵円形を呈する多型性の核で極性が乱れているもの)低異型度癌(勅錘型の核で極性がほとんど乱れず基底膜側に配列するもの)中異型度癌(円形一卵円形の核であるが極性が保たれているものあるいは紡錘型ではあるが重責したり極性に乱れがあるもの)に分類した.【成績】細胞異型度別のリンパ節転移は高異型度46.6%(95/2〔獲)中異型度13.5%(5/37)低異型度0%(0/12)で高異型度癌で有意に高率であった.また中一低分化型INFβny且y(+)v(+)budding(+)高度DRも有意にリンパ節転移が多かったが多変量解析ではly(+)高異型度癌のみ選択された. ly(一)かつ中・低異型度の症例はいずれもn(一)であった.【結語1細胞異型度は大腸浸潤癌のリンパ節転移に強い関連性があるものと考えられた.細胞異型度は腫蕩の悪質度を示すものであり高異型度癌は深部に浸潤すると様々な低分化所見を示すようになるが低異型度癌は逆に脱分化しにくく比較的良好な予後が期待される. |
索引用語 |