セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 151 高齢者大腸腫瘍の臨床病理学特徴 |
演者 | 柏敦文(京都府立医科大学消化器内科) |
共同演者 | 若林直樹(京都府立医科大学消化器内科), 森本泰隆(京都府立医科大学消化器内科), 井上健(京都府立医科大学消化器内科), 吉田直久(京都府立医科大学消化器外科), 小西英幸(京都府立医科大学消化器内科), 光藤章二(京都府立医科大学消化器内科), 片岡慶正(京都府立医科大学消化器内科), 柳沢昭夫(市立奈良病院消化器科), 大辻英吾(京都府立医科大学人体病理学) |
抄録 | [目的]近年本邦では高齢化社会の到来や生活の欧米化などに伴い高齢者の大腸腫瘍が増加しており日常診療においてその治療機会に接することも多い.しかしながらその実態については不明な点が多くまた内視鏡治療に際する偶発症の頻度や重症度についても不明な点が多い.本研究では当院で経験した大腸腫瘍の症例を75歳以上の高齢群80歳以上の超高齢群と45歳以上64歳以下の非高齢群に分類しその臨床病理学的特徴及び内視鏡治療後の偶発症の相違について比較検討したので報告する.[方法]1990年10月から2007年11月までに当院で内視鏡的もしくは外科的切除を行い臨床病理学的検索が可能であった大腸腫瘍のうち高齢群339病変(男性215病変女性124病変)超高齢群145病変(男性97病変女性48病変)非高齢群688病変(男性447病変女性241病変)を対象とし占拠部位肉眼型癌の深達度組織型脈管侵襲転移予後について検討した.またEMR後の偶発症については過去4年間に当院でEMRを行った大腸腫瘍の治療後の出血・穿孔の頻度を比較した[結果]癌占拠部位は高齢群特に女性で有意に右側結腸の頻度が高かったが腫瘍径組織型深達度脈管侵襲リンパ節転移(手術症例のみで検討)腹膜播腫遠隔転移は超高齢群高齢群対照群の3群間で有意差は認めなかった.また最大径5~9mm10~19mm20~29mmの各サイズ別腫瘍の担癌率を検討したが超高齢群高齢群対照群の間で有意差を認めなかった.高齢者超高齢者におけるEMR後合併症は非高齢者と同様に非常に少なく有意差を認めなかった【結論】高齢者大腸癌の存在部位以外の臨床病理学的特徴は非高齢者とほぼ同様でありEMR後の偶発症に関しても非高齢者と差がなく必要性と安全性に留意すれば非高齢者と同等の取扱いをすることが認容されると考えられた. |
索引用語 |