セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

155 大腸癌手術の質とクリティカルパスの最適化をめざして-手術要因からの腸閉塞およびSSI予防-

演者 池永雅一(国立大阪医療センター外科)
共同演者 三嶋秀行(国立大阪医療センター外科), 安井昌義(国立大阪医療センター外科), 宮崎道彦(国立大阪医療センター外科), 黒川幸典(国立大阪医療センター外科), 辻江正徳(国立大阪医療センター外科), 山村順(国立大阪医療センター外科), 宮本敦史(国立大阪医療センター外科), 大宮英泰(国立大阪医療センター外科), 増田慎三(国立大阪医療センター外科), 平尾素宏(国立大阪医療センター外科), 高見康二(国立大阪医療センター外科), 藤谷和正(国立大阪医療センター外科), 中森正二(国立大阪医療センター外科), 辻仲利政(国立大阪医療センター外科)
抄録 大腸癌開腹手術症例について診療の標準化のためクリティカルパスを導入した.当初は従来の開腹手術の標準的経過そのものをパス化し開始したが早期経口摂取・早期退院をめざすために順次改訂を加えてきた.改訂の段階で退院に影響を及ぼすバリアンスを検討したところ食事摂取不良(腸閉塞を含む)とSSIが70%を占めていた.すなわちクリティカルパスを改良最適化するためには手術の質を改善し腸閉塞とSSI防止が重要となった.そこで腸閉塞予防に関しては腸管牽引症候群を惹起させぬように極力腸管自体に刺激を与えずt開腹後すぐに腸管バッグに収納する.バッグ全体を圧排し上腹部に収納する.そうすることで骨盤内の術野確保が十分可能となり閉腹時には開腹時と同様の腸管の状態を保つことが可能である.閉創前には腸管癒着防止としてセプラフィルムを使用しているまたSSI予防としては閉鎖式ドレーンの使用体内結紮は吸収糸を使用低体温化防止のための麻酔導入前アミノ酸投与汚染器具の二野からの排除吻合後の手袋交換を徹底している.下腹部の閉創は3層で行い筋膜縫合後に創部を擦過しながら生食水で洗浄している.このような手術操作における工夫を行うことで術後食事スケジュールを順次改良し術翌日には飲水開始2日目には麺類を中心としたライト食を開始食事開始と同時に酸化マグネシウム内服とし固形便になることを予防して7日目に退院許可のパスとなった.実際の退院日は患者の希望・都合に応えるようにして数日後となる.消化器外科手術におけるクリティカルパスを最適化するためには「いかにして術後合併症を発生させないか」がポイントでありまず外科手術の質が重要な因子であると考えている
索引用語