セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 156 過去2年間に経験した機械的閉塞を認めない症候性巨大S状結腸症の検討 |
演者 | 奥薗徹(岩手県立胆沢病院内科) |
共同演者 | 白木学(岩手県立胆沢病院内科), 宇野要(岩手県立胆沢病院内科), 矢口圭(岩手県立胆沢病院内科), 近藤穣(岩手県立胆沢病院内科), 新海洋彦(岩手県立胆沢病院内科), 佐藤智子(岩手県立胆沢病院内科), 萱場尚一(岩手県立胆沢病院内科) |
抄録 | [背景]症候性巨大結腸症は明らかな器質的疾患に付随して排便障害が起こり腸管内腔が拡張する疾患で様々な原因が報告されているまた機械的閉塞を認めない巨大S状結腸症はS状結腸軸捻転症と鑑別を要することがありその臨床像の蓄積は重要であると考えられるこのため我々は当科で過去2年間に経験した症候性巨大S状結腸症について検討した.[対象]平成17年4月から平成19年9月までに当科外来で診断された症候性巨大S状結腸症を対象とした診断は腹部一単純写真で腸管が6cm以上のものとし下部消化管内視鏡で機械的閉塞について確認した.[結果]過去2年間で5症例が機械的閉塞のない症候性巨大S状結腸症と診断された男女比は男性4=女性1で平均年齢は69士15だった.基礎疾患は脳血管障害(脳梗塞・脳出血)が4例二二1例だった.全例抗コリン作用薬を内服していた.全例腹部単純写真でcoffee bean signを認め下部消化管内視鏡で著明に拡張したS状結腸を認めたが腸管粘膜は浮腫や縦走潰瘍など虚血性の変化も認めなかった.また内視鏡による腸管内ガスの吸引により全例腹部症状は軽快したが単純写真上巨大結腸症が改善したのは3例であった.内視鏡治療後全例で下剤による排便のコントロールを行ったが2例で再発が認められた.[考察]当科では機械的閉塞のない巨大結腸症の症例の殆どが脳血管障害を基礎疾患に持ち抗コリン作用薬を内服していた.患者の高齢化に伴い脳血管障害後遺症例やベンゾジァゼピンなどの抗コリン作用薬を内服する症例が増加することが予想され日常の排便のコントロールが重要であると考えられた. |
索引用語 |