セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

158 腸管嚢腫様気腫症8例の検討

演者 奴田原大輔(東京医科大学八王子医療センター消化器内科)
共同演者 平山泰丈(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 中村洋典(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 阿部公紀(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 高垣信一(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 中山大寿(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 植田健治(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 片上利生(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 杉木修治(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 高瀬雅久(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 新戸禎哲(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 白鳥泰正(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 宮岡正明(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 小田常人(小田病院)
抄録 腸管嚢腫様気腫症(以下PCI)は腸管壁にガスが入り込んだもので比較的稀な疾患である.今回我々は比較的短期間に多くのPCIを経験したのでその背景に共通した事項がないかを検討した.症例は2003年6月から2007年7月までの4年間に当センターで経験したPCIは8例でその内訳は男性4名女性4名年齢は25歳から76歳平均年齢56歳であった発見動機は無症状(潜出血など)5例腹痛腹満感血便各1例であった.患者背景では化学薬品や有機溶媒暴露歴を有する症例2例呼吸器疾患および胆・膵疾患各2例のほか虚血性心疾患炎症性腸疾患甲状腺機能充進症各1例などの併存疾患がみられた.併存疾患により投薬を受けている薬物に共通したものはなかった人間ドックで実施された便潜血陽性を契機に診断された症例において潜在的な換気障害がみられたため以降の5症例において呼吸機能検査を実施したが呼吸器疾患を有する症例を除き異常所見はみられなかったまた比較的短期間に多くの症例を経験したため居住地を調査したが関連性は見出せなかった検査はすべての症例で大腸内視鏡が先行して実施されていたが隆起は表面平滑で緊満感を有し鉗子圧迫や分布などから積極診断が可能であった病変部位はいずれも右側結腸にみられており基礎疾患などとの関連はなかった.治療は2例に実施され本症による症状と思われる腹満感を有する症例では高酸素療法を炎症性腸疾患では副腎皮質ステロイド薬などの治療で症状およびPCIは消失した.無症状やPCIと関連性の少ない症状を来した症例は特に治療を行わず経過観察となった.PCIの成因については様々に論じられておりその成因を中心に文献的考察など加えて報告する.
索引用語