セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

159 急性出血性直腸潰瘍にバイポーラ止血鉗子を用いた新しい止血法

演者 野中雅也(東京医科大学消化器内科学)
共同演者 平良悟(東京医科大学消化器内科学), 大島敏弘(東京医科大学消化器内科学), 田中麗奈(東京医科大学消化器内科学), 立花浩幸(東京医科大学消化器内科学), 柳沢文彦(東京医科大学消化器内科学), 原弥子(東京医科大学消化器内科学), 真鍋智津子(東京医科大学消化器内科学), 竹下理恵(東京医科大学消化器内科学), 羽山弥毅(東京医科大学消化器内科学), 八木健二(東京医科大学消化器内科学), 高麻理(東京医科大学消化器内科学), 福沢誠克(東京医科大学消化器内科学), 片岡幹統(東京医科大学消化器内科学), 川上浩平(東京医科大学消化器内科学), 酒井義浩(東京医科大学消化器内科学), 森安史典(東京医科大学消化器内科学), 宮岡正明(東京医科大学八王子医療センター)
抄録 [はじめに]急性出血性直腸潰瘍(acute hemorrhagic rectal ulcer:AHRU)は突然の無痛性大量血便が生じ基礎疾患にて長期臥床中の高齢者に発症することが多く今後更に増加することが予想される.これまでAHRUに対し様々な内視鏡的止血法が報告されている.当院では2006年9月より上部消化管出血に対しバイポーラ止血鉗子を導入し良好な結果が得られたため2007年3月よりAHRUに対してもバイポーラ止血鉗子を用いたところ良好な止血結果が得られたので報告する.[対象]当院にて2007年3月より2007年8月までAHRUに対し緊急内視鏡止血術を施行した8例.[結果]平均年齢は68±10歳男女比は1:1止血法はクリップ1例ヒートプローブ1例APC 1例バイポーラ止血鉗子5例であった.再出血を来たしたものはクリップで止血した1例であった.[考察]AHRUに対する従来の止血法であるクリップは脱落による再出血の可能性があり熱凝固法であるAPC等は過通電による穿孔や腹膜炎の偶発症の危険があるため慎重な手技が必要とされる.一方バイポーラ止血鉗子はカップ間にしか電流が流れず周囲組織への熱侵襲がほとんど無く安全な凝固が可能である.我々の症例でも潰瘍底の出血部に対しバイポーラ止血鉗子を強く押し付けたまま把持し通電凝固したが偶発症無く完全止血し得た.またペースメーカー症例にも安全かつ簡便に止血処置が可能と考えられた.[結語]バイポーラ止血鉗子による止血法はAHRUに対し安全で有効な止血法であると考えられた、
索引用語