セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 166 クローン病との鑑別を要したウイルス関連血球貪食症候群(virus-associated hemophagocytic syndrome: VAHS)の一例 |
演者 | 志賀永嗣(東北大学消化器病態学分野) |
共同演者 | 野村栄樹(東北大学消化器病態学分野), 高木承(東北大学消化器病態学分野), 高嬌成一(東北大学消化器病態学分野), 横山大(東北大学消化器病態学分野), 梅村賢(東北大学消化器病態学分野), 遠藤克哉(東北大学消化器病態学分野), 角田洋一(東北大学消化器病態学分野), 松村吉史(東北大学消化器病態学分野), 相澤宏樹(東北大学消化器病態学分野), 植木紳夫(東北大学消化器病態学分野), 松浦真樹(東北大学消化器病態学分野), 木村智哉(東北大学消化器病態学分野), 荒井壮(東北大学消化器病態学分野), 木内喜孝(東北大学消化器病態学分野), 富永現(石巻市立病院消化器科), 下瀬川徹(東北大学消化器病態学分野) |
抄録 | 【背景】血球糖乳症候群は高サイトカイン血症により組織球が異常増殖し活発な血球貧食像を示すもので大部分は悪性リンパ腫や感染症により二次性に生じるがeその中でEpstein-Bar r Virus(EBV)はVAHSの主要な原因ウイルスとなっている.またEBV感染が炎症性腸疾患類似の病変を形成したとする症例報告も散見される今回我々はクローン病と鑑別を要したVAHSの一例を経験したので報告する.【症例】54歳女性.平成15年よりクローン病疑いとして前医で加療されていたが確定診断には至らなかった.平成18年5月下旬から発熱下痢を認め精査目的に前医に入院した.Prednisolone(PSL)と完全静脈栄養(TPN)で一旦症状改善したが経管栄養を機に38度以上の発熱が続き7月6日精査目的に当科転院となった.転院時Albfibrinogenの低値LDHferri血IL-2Rの高値を認めた.前議の大腸内視鏡検査で盲腸から横行結腸に類円形から不整形の潰瘍が多発していたが転院時には同潰瘍は拡大し白苔を伴わない深掘れ潰瘍となっていた.38度台の発熱が持続し血球の進行性減少を認めたため骨髄穿刺を施行したところ網内系細胞増加と血球貧食像が観察された.EBV関連抗体価は高値でウイルスDNA検査でもEBVは著明高値であった(Cy-tomegalovirusは検出感度以下). EBV感染細胞のモノクローナルな増殖も確認されEBVに起因するVAHSと診断した7月12日から血漿交換療法とPSLciclospo血etopOside投与を行ない症状改善したがEBV-DNAは陰転化しなかった.9月20日から症状再燃しCHOP療法も無効で28日永眠された.【考察】今回我々はEBV感染によりクローン病類似の病変を認めさらにVAHSを合併した症例を経験した.若干の文献的考察を含めて報告する. |
索引用語 |