セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

168 Okadaella gastrococcus(Og)免疫染色検査法によるReactive gastritis(RG)粘膜組織の研究

演者 岡田隆幸(オカダメディカル)
共同演者 堀和敏(兵庫医科大学内視鏡センター), アドキンズグラハム(サリバン・ニコラデス病理研究所), 三輪洋人(兵庫医科大学内科学上部消化管科)
抄録 【目的】グラム陰性球状菌Ogが様々な胃粘膜疾患に関与している事を報告してきた.第92学会総会でOg感染がRGに関与する可能性をOg菌培養と電子顕微鏡検査結果から示唆した.Og免疫染色検査法を用いてRG粘膜組織におけるOg感染との関係を患者の既往歴とHelicobacter pylori(Hp)感染も含めて考察研究した.【方法】無作為に選んだ患者39名から得た胃生検粘膜組織標本を用いた. Polyclonal rabbit Og antibodyによるOg免疫染色検査(第93回JSGE学会総会で発表)とpolyclonal rabbit Hp antibody(Dako)によるHp免疫染色検査をaVidn biotin peroXidase complex techniqueを用い同時に施行した.次にRG(Dr.Adkinsによる診断)と診断された患者の病歴を調べt NSAIDsアルコールタバコ常用歴が無く腎機能が正常で胃生検時にHp陰性である事を確認した.【結果】患者5名(男性:女性=2:3年齢41-80)にRGを伴う慢性胃炎を認めた.内視鏡検:査で4例に胃ビランがあった.既往歴はHp感染(4例全例除菌成功)胃癌(2例)Crohn病(1例)であった.強~弱度のOg免疫染色反応を5例のRG組織標本すべてに認めたがHp免疫染色反応はなかった. Og免疫染色反応は粘液層(mucusgastric surface pitsdeep gland pits)上皮細胞固有腺細胞(体部前庭)lamina propriaで強~中度t聞質組織中のリンパ球組織球好中球血管内皮細胞で中~弱度であった.基底側に比べ主に胃粘膜組織表層部にOg免疫染色反応を認めたのが印象的であった腸上皮化生部(1例)の杯細胞及び近隣細胞では弱度のOg免疫染色反応を認めた.ビラン部のOg免疫染色反応は強度であった.【結論】RGのdifferential diagnosisの一つとしてOg感染を考える必要がある.又Hp除菌後もOg感染が残存する事に注意し内視鏡によるfollow up検査の必要性も示唆する報告例と言えた.
索引用語