セッション情報 |
パネルディスカッション21(消化器外科学会・消化器病学会合同)
局所進行膵癌に対する治療戦略
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タイトル |
外PD21-4:Resectable・Borderline Resectable膵癌に対するgemcitabine併用術前化学放射線療法
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演者 |
高橋 秀典(大阪府立成人病センター・消化器外科) |
共同演者 |
大東 弘明(大阪府立成人病センター・消化器外科), 石川 治(大阪府立成人病センター・消化器外科) |
抄録 |
【緒言】近年,腫瘍と主要動脈(腹腔動脈,上腸間膜動脈,総肝動脈)との解剖学的位置関係から”Resectable(R)”症例,”Borderline Resectable(BR)”症例の概念が提唱され,それぞれに対し様々な集学的治療が試みられている.【目的】当センターではUICC-T3以上のR症例と主要動脈周囲への進展が比較的軽度(90°>)のBR症例に対しgemcitabine併用術前化学放射線療法(CRT)を施行しており,本研究の目的はその治療成績を評価することとした.【方法】2002年から2011年までに当センターにて術前CRTを施行した246例(R:188例,BR:58例)を対象とした.術前CRTとしては50Gy/5週の放射線治療に加え,1000mg/m2のgemcitabineを3回投与/4週x3クール施行した.照射野には主腫瘍に加えて局所再発の好発部位である主要動脈周囲・後腹膜を広く含めた.術前治療終了後の再評価で切除可能と判断された症例で切除術を施行した.【結果】R例,BR例の切除率はそれぞれ87%(164/188),72%(42/58)であり,R例の方が有意に高かった(p=0.013).BR・R例のR0切除率はそれぞれ98%,99%であった(p=0.87).切除術を施行されたR・BR例の5年生存率は57%,34%であり.R例が有意に良好であった(p=0.028).R・BR例の5年累積局所再発率は15%,13%であった(p=0.50).一方,R・BR例の5年累積腹膜再発率と5年累積遠隔再発率は,それぞれ17% vs. 43%(p=0.046),43% vs. 77%(p=0.039)であり,BR群で有意に高頻度であった.非切除例を含めた全R・BR例の5年生存率は54%,26%(p=0.009)であった.【結論】主要動脈周囲への進展が軽度のBR例に対する術前CRTはR例より切除率は劣るが,切除後の局所コントロールはR例と同等であった.しかしBR例はR例と比し高頻度に腹膜・遠隔再発を来すため,治療成績は有意に不良であった.BR例に対しては,より強力な全身治療を考慮した治療方針を検討する必要があると考えられる. |
索引用語 |
膵癌, 術前化学放射線療法 |