セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

178 クランベリーの抗ヘリコバクター・ピロリ(HP)作用についての検討

演者 松嶋成志(東海大学消化器内科)
共同演者 鈴木孝良(東海大学消化器内科), 白倉克也(東海大学消化器内科), 後町成輔(東海大学消化器内科), 大北一郎(東海大学消化器内科), 渡邊謙一(東海大学消化器内科), 小池潤(東海大学消化器内科), 高木敦司(東海大学総合内科), 白井孝之(東海大学消化器内科), 峯徹哉(東海大学消化器内科)
抄録 【目的】クランベリーは北米原産の果実であり感染症に対する民間薬として用いられてきた.近年繰り返す尿路感染症への有効性とともにその抗且P作用が注目されている.本研究においては基礎的には増殖抑制作用および胃細胞に対するIL-8分泌刺激の抑制効果を主な指標としてまた臨床試験としてクランベリージュース(CJ)定期服用のUBT値に与える効果を主な指標として検討しクランベリーの抗HP作用とそのメカニズムに追ることを目的とした【方法】クランベリー熱水抽出物分画物各種果汁濃縮物CJはキッコーマン(株)より提供を受けた.HP株は2種の標準株および臨床分離株27株を用いた. HPはウマ血漿加BHI培地微好気下37℃で培養した.増殖実験は希釈寒天平板法を主とし液体培養法を併用した.IL-8分泌刺激実験はMKN45細胞と約100倍量のHP生菌を共培養し24時間後の培養上清中のH.一8をELISAにて定量した.臨床試験は当院臨床試験委員会の許可を得てHP感染陽性で上部消化管疾患の積極的治療の不要な患者さんを対象とし文書による自発的同意を得て行った.実際には約1月CJを毎日服用し服用前後および服用中止後2週以降にUBTおよび採血を行った.【成績】クランベリーは濃度依存的に標準株および臨床分離株6株の増殖を阻害した.標準株での各果汁の比較ではポリフェノールを多く含有する果汁に抑制効果がみられ分画物でもポリフェノール画分に抑制活性がみられた.1レ8分泌では分泌誘導効果を示すすべての株に対して抑制効果を示した.臨床試験は現在30症例中27例が終了し服用により上昇する症例低下する症例が見られている.血中PGIPGHgastrinについては終了後まとめて測定する予定である.【結論】クランベリーは少なくとも一部のHP感染を軽快させ除菌の補助となりうる可能性がある.またHP感染による炎症を軽減させる可能性が示された
索引用語