セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

180 後期高齢者(75歳以上)に発症した消化管出血症例の検討

演者 井上義博(岩手医科大学医学部救急医学講座)
共同演者 藤野靖久(岩手医科大学医学部救急医学講座), 小野寺誠(岩手医科大学医学部救急医学講座), 菊池哲(岩手医科大学医学部救急医学講座), 小鹿雅博(岩手医科大学医学部救急医学講座), 佐藤信博(岩手医科大学医学部救急医学講座), 遠藤重厚(岩手医科大学医学部救急医学講座), 鈴木一幸(岩手医科大学医学部第1内科学講座)
抄録 <目的>後期高齢者消化管出血の診断治療における特徴を探る<対象>1989年から2006年目でに当科で経験した75歳以上の上部消化管出血440例t下部消化管出血103例の計543例.これは同時期の上部消化管出血2462例の179%下部消化管出血429例の240%にあたる.〈結果〉上部消化管出血の内訳は胃潰瘍203例十二指腸潰瘍61例食道出血50例AGML35例静脈瘤32例マロリーワイス症候群(以下MWS)25例などで各々の疾患総:数に対する割合は胃潰瘍24.4%十二指腸潰瘍17.0%食道出血25.5%AGML21.9%静脈瘤5.7%MWS12.8%であった.このうち静脈瘤で31例96.9%胃潰瘍187例92.1%十二指腸潰瘍54例88.5%MWS13例52.0%等に内視鏡治療を行った.潰瘍出血は男性137例女性127例と均衡しており動脈性出血が37例露出血管が151例に認められた.再出血は胃潰瘍22例10、8%十二指腸潰蕩6例9.8%あり再治療により止血された.死亡は胃潰瘍12例5.9%十二指腸潰瘍9例14.8%で死因は多臓器不全13例肺炎4例出血3例敗血症1例であった.下部消化管出血の内訳は直腸潰瘍30例痔出血19例大腸憩室17例虚血性腸炎12例、大腸癌11例出血性腸炎4例などで各々の疾患総数に対する割合は直腸潰瘍45.5%ff 27.9%憩室33.3%虚血性腸炎21.O%大腸癌333%出血性腸炎9.3%であった内視鏡治療は主に直腸潰瘍30例中20例に施行し6例の再出血を認めたが再止血により止血を得た痔には7例にEHLを施行小腸出血直腸ポリープに対しても内視鏡治療を行った.<まとめ>高齢者は成人と比較し上部では食道出血と胃潰瘍AGMLが多く、静脈瘤が少なかった下部では直腸潰瘍憩室癌の出血が多く出血性腸炎は少なかった.治療は成人と同様に行えたが肺炎などの合併症全身状態の悪化で死亡する症例が多かった.
索引用語