セッション情報 一般演題(口演)

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181 当院での高齢者に対する急性出血性胃・十二指腸潰瘍に対する内視鏡的止血術の治療成績

演者 原田直毅(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科)
共同演者 田中聡司(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 山川美帆(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 常松日奈子(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 松原徳周(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 西山範(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 入江孝延(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 鈴木貴弘(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 春名能通(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 竹田晃(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科), 井上敦雄(大阪府立急性期・総合医療センター消化器内科)
抄録 【目的】出血性胃十二指腸潰瘍(以下GU・DU)に対しては内視鏡的止血術が第一選択である.高齢者の出血性潰瘍に遭遇することも多いがその治療成績病態は未だ明らかでない.そこで今回我々はGU・DUに対する内視鏡的止血術の治療成績を高齢者群非高齢者群に分け治療成績および出血性潰瘍の病態について比較検討した.【方法】2004年1月から2007年7月までのGU・DUで内視鏡的止血術を施行した151例(GU 128例DU 23例)を対象とした.高齢者群(70歳以上)77例非高齢者群(70歳未満)74例.男女比は男性118例女性33例.平均年齢は68歳統計解析はX2検定を用い出血像分類はForrest分類で行った.【結果1高齢者群の一時止血率は96%(74/77)再出隆昌は10.4%(8/77)であった.非高齢者群の一時止血率は98.6%(73/74)再出血率は16.2%(12/74)であった.高齢者群非高齢者群で一時止血率再出比率に有意差を認めなかった.抗凝固薬及び抗血小板櫃服用者は全体の32%(49/151)を占めそれぞれ高齢者群39%(30/77)非高齢者群16%(19/74)であった.同誌服用者での一時止血率は高齢者群100%(30/30)非高齢者群100%(19/19)再出血率は高齢者群67%(2/30)非高齢者群10.5%(2/19)と有意差は認めなかった同薬非服用者での比較では一時止血率は高齢者群93.3%(42/45)非高齢者群98.1%(52/53)再出血率は高齢者群13.3%(6/45)非高齢者群132%(7/53)と有意差は認めなかった.Forrest分類では高齢者群1a:9例lb=18例2a:30例2b:20例非高齢者群1a:13例1b:20例2a:32例2b:9例と差を認めなかった.外科的止血術を要するものは無かった.【考察】高齢者でも若年者と変わらぬ出血形態を呈し高齢者おいて血小板抗凝固薬の内服率は高かったが同様の治療成績を得られることが明らかになった.【結語】内視鏡的止血術は年齢にかかわらず十分な成績治療効果を得る.
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