セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

182 出血性胃十二指腸潰瘍止血術後の再出血に関わる因子の検討

演者 藤澤聖(九州厚生年金病院内科)
共同演者 酒井賢一郎(九州厚生年金病院内科), 上平幸史(九州厚生年金病院内科), 山下信行(九州厚生年金病院内科), 五島寛(九州厚生年金病院内科), 堀江靖洋(九州厚生年金病院放射線科), 平田静弘(九州厚生年金病院外科), 松本主之(九州大学大学院病態機能内科学), 飯田三雄(九州大学大学院病態機能内科学)
抄録 【目的】出血性胃十二指腸潰瘍に対する内視鏡的止血術後の再出血の危険因子ついては現在までに数多くの解析がある近年では活動性出血や潰瘍の大きさなどの要因の重要性が示唆されている.そこで我々は出血性胃十二指腸潰瘍止血術施行例における再出血の危険因子を解析した.【方法】対象は2005年2月から2007年10月の間に当院で出血性胃十二指腸潰瘍と診断され内視鏡的止血術を受けた155例(男性102例女性53例平均年齢66.1歳).止血術には純エタノール局注法高張ナトリウム・エピネフリン局注法クリップ法焼灼凝固法(ヒートプローブ止血鉗子)のうち1法以上を用いた.止血術後は全例2日間以上絶食としH2受容体拮抗薬もしくはプロトンポンプ阻害薬の静注を行った.再出血は内視鏡的止血術後の吐血ヘモグロビン値の2g/dl以上の低下内視鏡的に再出血を確認した場合とした.【成績1155例申28例(18.1%)に再出血を認めた.うち18例は内視鏡的に止血可能であったが6例が手術となり4例が出血死した.単変量解析では再出血の有意な危険因子としてNSAIDの内服(p=O.007)低アルブミン血症(3.Og/dl未満p=0.004)活性化部分トロンボプラスチン時間の延長(40秒以上p=O.03)低コレステロール血症(120mg/d1未満p=0.04)が抽出された.活動性出血や潰瘍の部位などの内視鏡的因子で再出血と関連を有する要因はなかったロジスティック回帰分析ではNSAH)の内服のみが再出血の有意な危険因子であった(オッズ比5.9295%信頼区間1.27-27.50p ・O.02).【結論】出血性胃十二指腸潰瘍止血術後の再出血に関わる因子は臨床的因子が重要で特にNSAIDの内服は再出血の危険因子と考えられる.
索引用語