セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
183 内視鏡止血術後再出血および30-day mortality減少をめざした高齢者出血性消化性潰瘍への挑戦
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演者 |
山口康晴(杏林大学医学部第三内科) |
共同演者 |
中村健二(杏林大学医学部第三内科), 土岐真朗(杏林大学医学部第三内科), 青木圭(杏林大学医学部第三内科), 高橋信一(杏林大学医学部第三内科) |
抄録 |
【目的】我々は高齢者出血性潰瘍に対する内視鏡止血術の有効性を報告してきた(Hapatogastroenterology os : 11952001J Gastroenterol Hepatol 18 : 5212003).今回出血性潰瘍の診断で内視鏡止血術を施行した70歳以上の高齢潰瘍患者において内視鏡止血術後の再出血および30-day mortality(以下術後死亡)に対する予測因子を検討した.さらにその検討で得られた予測因子をもつ高齢者潰瘍患者に対し、術後より注意深いcareをすることで再出血術後死亡を減少させうるか前向きに検討した.【方法】検討1.94年1月から04年10月までに当科にて内視鏡止血術を行った出血性潰瘍676例(平均年齢60±15歳男女比4:1)のうち70歳以上の高齢者は200例であり内視鏡止血術の結果再出血率16%(31例)術後死亡率8%(15例:潰瘍死1例他病死14例)であった.この高齢者200例における再出血および猜後死亡の予測因子を多変量解析にて検討した検討2.04年10月から07年9月までに検討1による予測因子をもつ高齢潰瘍患者に対しclip・局注併用療法による止血術を行い術後より慎重な経過観察を行った止血不能例に対し迅速なIVRに対応できるよう放射線科のバックアップシステムを強化した.以上により再出血および術後死亡を減少させうるか検討した.【成績】検討1.予測因子は再出血では基礎疾患3cm以上の単発潰瘍shock24時間以内に6単位以上の輸血であった術後死亡では他疾患により入院中の患者であった.検討2.前向き検討した3年間に上記危険因子をもつ高齢潰瘍患者は20例であった(平均年齢78±6歳).治療成績は再出血率0%術後死亡率10%(2例:潰蕩死1例他病死1例)であり再出血率の改善はみられたが1例の潰瘍死を含め死亡率改善はなかった.潰瘍死例は抗凝固療法中止困難なDrug Elu血g Stent留置心疾患症例であった.【結論]再出血率改善は可能であったが術後死亡改善に対し新たな障壁に遭遇した. |
索引用語 |
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