セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 186 低用量アスピリンによる上部消化管粘膜傷害:病変予測因子の検討 |
演者 | 垣内佳美(大阪大学消化器内科学) |
共同演者 | 辻晋吾(大阪大学消化器内科学), 辻井正彦(大阪大学消化器内科学), 筒井秀作(大阪大学消化器内科学), 飯島英樹(大阪大学消化器内科学), 西田勉(大阪大学消化器内科学), 渡部健二(大阪大学消化器内科学), 柄川悟志(大阪大学消化器内科学), 新崎信一郎(大阪大学消化器内科学), 石井修二(大阪大学消化器内科学), 中島佐知子(大阪大学消化器内科学), 近藤純平(大阪大学消化器内科学), 林紀夫(大阪大学消化器内科学) |
抄録 | [目的]上部消化管出血の原因薬剤のなかでも低用量アスピリンは近年本邦でも使用頻度が増加しているがこれにより誘発される消化管傷害に関する内視鏡的前向き調査は少ないそこで低用量アスピリンの投与対象となる慢性疾患でしばしば用いられる検査項目から上部消化管病変の発生予測因子を明らかにすることを目的とした調査を行った.[方法]当院における一ヶ月以上の低用量アスピリン連用中の安定期にある循環器疾患患者を対象に消化管に関連した自覚症状便潜血(Guaiac法)末梢血ヘモグロビン値を調査しアスピリン誘発上部消化管傷害が疑われる症例の上部消化管内視鏡所見を検:験した.[結果]低用量アスピリン連用者の53.1%に便潜血38.1%に貧血が見られどちらかが見られるものは全体の66.0%に達した.上部消化管傷害が疑われる症例の内視鏡検査の結果出血性胃炎・康燗性胃炎35.5%非康燗性慢性胃炎43.5%胃十二指腸潰瘍19.4%が見られた.年齢ASA用量消化性潰瘍の既往抗潰瘍薬・抗凝固薬の併用頻度には粘膜傷害を有する群と有さない群間の間で差が認められなかった.対象者のうち一例でその後入院を要する上部消化管出」血が見られた[結論]低用量アスピリン連用者において上部消化管粘膜傷害は高頻度に発生しており胃十二指腸潰瘍ないしは潰瘍癒痕も高率にみられた.この横断的研究では慢性的な貧血もしくは便潜血陽性者も極めて多かった反面tこれらの項目は内視鏡的に発見される上部消化管傷害の予測因子としては有用ではないと考えられた. |
索引用語 |