セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

189 当院における低用量アスピリン処方状況と内視鏡検査の現状

演者 加賀谷尚史(金沢大学消化器内科学)
共同演者 岡田俊英(金沢大学消化器内科学), 金子周一(金沢大学消化器内科学)
抄録 【目的】非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAID)服用者の30-50%はdys-pepsia症状を経験し20%で消化性潰瘍1-4%で消化管出血をきたすとされている.近年では低用量アスピリンの使用頻度がますます増加しているが消化管粘膜保護対策についての現状は明らかではない.【方法】2007年8月1日~31日の間に当院を受診し低用量アスピリン処方を受けた症例を対象とし(1)酸分泌抑制剤防御因子製剤の処方(2)内視鏡検査の現状について検討した.【結果】当院において低用量アスピリンは1131例(男性663例女性468例)で処方されていた.内訳は循環器科474例腎膠原病内科137例内分泌代謝内科130例皮膚科110例脳神経外科・神経内科85例血液内科68例精神科25例小児科20例そのほか82例であった.(1)酸分泌抑制薬(PPI or H2RA)は654例57.8%で処方され粘膜保護剤は394例34.8%プロスタグランジン製剤は6例0.5%で処方されていた.合計すると1054例93.2%で何らかの消化管粘膜障害対策がなされていた.(2)全症例のうち最近1年間に上部消化管内視鏡検査を施行された例は203例17.9%下部消化管内視鏡検査を施行された症例は92例8。1%であった.一方小腸ダブルバルーン内視鏡検査(DBE)によって低用量アスピリンに起因する小腸病変を認めた症例は2例であった.【結論】低用量アスピリン処方時には90%以上の症例で何らかの消化管粘膜障害対策が行われていた.症状の有無を問わず何らかの理由で消化管粘膜病変の有無を検査された例はおよそ25%であった.小腸DBE検査において低用量アスピリンに起因する小腸病変と診断された症例は2例であった.
索引用語