セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
190 アスピリン起因性消化性潰瘍の出血が他臓器に及ぼす影響
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演者 |
福知工(大阪府済生会中津病院消化器内科) |
共同演者 |
蘆田潔(大阪府済生会中津病院消化器内科), 山下博司(大阪府済生会中津病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】アスピリンに起因する出血性消化性潰瘍の出血量と腎機能障害を臨床的に検討した.【方法】対象は2003年1月~2007年9月に低容量アスピリンを服用中に吐下血で当科を受診した消化性潰瘍(胃潰瘍十二指腸潰瘍吻合部潰瘍)患者のうち非アスピリンNSAIDs服用例と腎不全合併症例を除外した35例(平均年齢71.6歳男女比24:11)である.これらをA群とし来院時の血圧血中のヘモグロビン(Hb)尿素窒素(BUN)クレアチニン(Cr)を可能な限り年齢性別をマッチングさせたアスピリン非アスピリンNSAIDsを服用していなかった出血性潰瘍患者(平均年齢71.6歳男女比24:ll)をB群コントロール(平均年齢71.6歳男女比24:11)をC群として3群比較した.また輸血量と入院後経過をA-B群問で3群比較した.【結果】血圧は(A群B群C群)で(105.3103.812&9)(mmHg)Hbは(&268.3412.77)(g/dl)BUNは(50.504091.16.82)(mg/dl)でいずれもA-C野間B-C八間で有意差が認められA-B群間では有意差は認められなかったがCrは(1.070.780.76)(mg/d1)でA-B群間A-C群舞で有意差が認められB-C群間では有意差は認められなかった.輸血量は(A群B群)で(2.572.26)(単位)でA-B群間で有意差は認められなかった.A群で止血後に急性腎不全に至り透析を要した症例が2例認めたがB群には認めなかった.【結論】低容量アスピリンによる出血性潰瘍は非アスピリン出血性潰瘍と出血量は同等と推測されるが有意に腎機能障害を呈する.合併疾患と長期のアスピリン服用等のため腎予備能の低下が推測される症例に潰瘍出血による急激な腎虚血が加わり出現すると考えている止血後にも急性腎不全に至り重症化し透析を要することもあるため腎機能の観点からも今後はアスピリン起因性消化性潰瘍の適切な予防が望まれる. |
索引用語 |
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