セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

194 進行肝細胞癌に対するS-1ぺグインターフェロン併用療法

演者 上嶋一臣(近畿大学消化器内科)
共同演者 辰巳千栄(近畿大学消化器内科), 上田泰輔(近畿大学消化器内科), 北井聡(近畿大学消化器内科), 高橋俊介(近畿大学消化器内科), 井上達夫(近畿大学消化器内科), 石川恵美(近畿大学消化器内科), 南康範(近畿大学消化器内科), 鄭浩柄(近畿大学消化器内科), 工藤正俊(近畿大学消化器内科)
抄録 【背景】遠隔転移を有する進行肝細胞癌症例に対しては全身化学療法が選択されるが有効なレジメンは確立されていない.このような症例に対して我々はS-1とべグインターフェロン併用による全身化学療法を試みている【目的】S-1ペグインターフェロン併用療法の有用性をretrospectiveに検討した.【対象】標準治療の適応とならないあるいは治療抵抗性のある進行肝細胞癌患者18例。男性15例女性3例.平均年齢63.1±10.5才(38-76).HCVI1例HBV3例nonBnonC3例HCV肥Vl例. Ch{ld-PughA15例B3例StageHI5例StagelVA4例StagelVB9例.【方法】原則としてS-1100mg/bodyを28日間経口投与ペグインターフェロン(z2b50pgあるいはペグインターフェロンct2a50pg週1回4週投与を1クールとし効果の続くかぎり継続した.また1クール終了後は原則として1~2週聞の休薬期間をおいたただし患者の状態により適宜投与量を減じた.【結果】治療効果はCRO例PR4例NC9例PD5例でRR22.2%であった.DCRは72.2%であった.平均観察期間は241.3日MSTは332日置1年生存率は45.8%であった.ほとんどが外来通院にて治療継続可能であった.Grade3以上の副作用は高血糖1例口内炎1例プロトロンビン減少1例白血球減少4例好中球減少4例であったがいずれも餌薬により速やかに改善した.【結論】S-1は強力なDPD阻害剤を配合したフッ化ピリミジン系経口抗癌剤であり従来のoral-5FUよりも強い抗腫瘍効果を期待できる.またペグインターフェロンは5FUのmodulator作用を有し週1回の投与で持続した効果を発揮する.これらの併用療法は外来にてQOLを落とすことなく簡便に施行可能であり進行肝細胞癌に対する有効なレジメンとなりうる可能性がある.しかし肝機能不良症例汎血球減少のある症例については慎重に投与する必要性があると考えられた
索引用語