セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 195 非B非C型肝細胞癌の外科治療成績からみた治療上の課題 |
演者 | 楠信也(神戸大学肝胆膵外科) |
共同演者 | 岩崎武(神戸大学肝胆膵外科), 富永正寛(神戸大学肝胆膵外科), 福本巧(神戸大学肝胆膵外科), 木戸正浩(神戸大学肝胆膵外科), 尾形哲(神戸大学肝胆膵外科), 高橋応典(神戸大学肝胆膵外科), 文宣貴(神戸大学肝胆膵外科), 木下秘我(神戸大学肝胆膵外科), 小松昇平(神戸大学肝胆膵外科), 具英成(神戸大学肝胆膵外科) |
抄録 | 【目的】本邦の肝細胞癌の90%以上はB型C型ウイルス肝炎が関与していたが近年非B非C型の増加が注目されている今回非B非C型(NBNC)肝細胞癌切除例の臨床病理学的特徴についてB型およびC型肝細胞癌と比較し治療上の課題について検討した.【方法】当科で2006年12月までに肝細胞癌で初回肝切除を施行した215例を対象とした.HBs抗原陰性およびHCV抗体陰性の52例をNBNC群と定義しB群(HBs抗原陽性)53例C群(HCV抗体陽性)108例の臨床病理学的所見および予後を比較検討した.【結果1NBNc群は平均年齢65歳とB群52歳に比べ有意に高齢で(P〈o.05)性別に差はなかった.内訳はHBc抗体陽性29例(56%)陰性23例(44%)で糖尿病合併10例(20%)アルコール多飲歴2例(4%)高脂血症2例(4%)であった.いずれの群も肝障害度Aが大部分を占めていたがNBNC群のICGR-15はC群と同等でありB群12.1%は他群に比べ有意に低値であった(P<0.05).腫瘍径はNBNC群95cmでB群68cmC群4.8cmに比べ有意に大きく(P<0.05)Stage HI/IVが55%と大半を占め進行例が多かった.切除術式ではNBNC群は区域切除以上が58%とC群39%に比べ有意に多かった(P<0.05).病理所見では腫瘍分化度静脈浸潤の有無に差はなかった.背景肝では正常肝が22%を占めB型C型に比べ有意に多かった(P<0.05).NBNC群B群C群で5年生存率を比較するとStagelはNBNC群100%B群100%C群88%StageHはNBNC群86%B群77%C群58%StagemはNBNC群31%B群22%C群51%StagelVはNBNC群34%B群17%C群37%と各群間で差はなかった.【結語】非B非C型肝細胞癌は進行例が多かったが肝機能は比較的良好で積極的な術式選択によりB型tC型と同等の予後を示した. NBNC型肝細胞癌では大型進行例が多く治療成綾の向上のためにはB型C型のようなリスクファクターの同定とそれによるサーベイランスシステムの導入が必要と考えられた. |
索引用語 |