セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

198 肝癌に対するラジオ波焼灼術の長期成績

演者 大塚大河(佐賀県立病院好生館内科)
共同演者 大枝敏(佐賀県立病院好生館内科), 有尾啓介(佐賀県立病院好生館内科), 重松宏尚(佐賀県立病院好生館内科), 川添聖治(佐賀県立病院好生館内科)
抄録 【目的】当院における肝癌に対するラジオ波焼灼術(RFA)の長期成績から予後や再発に関する因子について検討した.【方法】2㎜年4月以降当院で治療した肝癌初発例のうち初回治療としてRFAを施行し予後が追跡しえた230例を対象とした.【成績】230例の累積生存率は1年96%3年81%5年62%7年55%であった.Chnd-Pugh AではBに比べ生存率が良好であったが有意差は認められなかった.腫瘍径別では≦2cm群が>2cm群と比較し生存率が有意に、良好であった(p=O.05)が腫瘍個数別の比較では有意差は認められなかった.また「3cm3個以内」基準内と外の症例で生存率に有意差は無かった。長期生存に寄与する因子は血清アルブミン値>3.5g/dLAFP≦400ng/nL腫瘍径≦2cmであった.局所再発率は1年8%3年16%5年・7年17%異所再発率は1年20%3年43%5年51%7年54%であった.再発時にRFAが施行できた206例と施行困難あるいは適応外であった23例の生存率は1年97%・82%3年85%・51%5年64%・45%7年58%・22%と有意にRFAが施行可能であった群で良好であった(p=o.ooo6)再発時RFA困難例ではchild-Pugh B症例の割合が高い「3cm3個以内」基準外の症例が多いAFP・PIVK:AII高値再発までの期間が短いと1いう特徴が認められた.また再発時RFA困難症例のみの検討ではAFP>400ng/mしが予後不良因子であった.【結論】今回の検討では腫瘍径2cm以下の症例で予後が良好であった.「3cm3個以内」基準内外で生存率に差が認められなかった.ただし「3cm3個以内」基準外の症例では再発時に治療困難となる例が多く加えてAFP高値である場合は初回治療としてのRFA導入は慎重を期す必要がある.
索引用語