セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

205 ラジオ波焼灼療法(RFA)後の肝細胞癌再発に対する外科治療

演者 青木琢(東京大学肝胆膵外科)
共同演者 長谷川潔(東京大学肝胆膵外科), 緑川泰(東京大学肝胆膵外科), 別宮好文(東京大学肝胆膵外科), 今村宏(東京大学肝胆膵外科), 國土典宏(東京大学肝胆膵外科)
抄録 【目的】RFAは肝細胞癌(HCC)に対する局所凝固療法の中心的位置を占めているが脈管内腫瘍栓や播種などによりコントロール不能になった場合に再度外科治療の適応が考慮される場合がある.RFA治療後再発症例に対する外科治療成績を検討した.【方法】2002年から2007年6月までにRFA後の再発に対して外科的切除を行った41例について前治療が手術に及ぼしたと考えられる影響外科治療後の予後を解析した.【結果】24例で肝内再発に対する治療が17例で肝外再発(播種リンパ節転移他臓器転移)に対する治療が行われていた肝内再発24例に対して外科治療を行った理由は腫瘍栓5例再RFA困難症例15例(うち6例は前回治療部の局所再発)腹膜播種の合併1例患者の希望3例であった手術中にRFAによると考えられる癒着剥離に難渋した例が9例あり1000mL以上の術中出血を来した症例が9例(うち3000mL以上の出血例が2例)あったまた多くの症例で系統的切除は困難で部分切除で終わっており癌の肉眼的遺残も7例で認められた一方肝外再発17例のうち10例では肝内病変が残存しており肝内病変に対してRFAを続行し踏外病変のみを外科切除した.肝外病変の切除に特に困難な点は認めなかった.術後の追跡期間は3-68ヶ月(平均24ヶ月中央値13ヶ月)であり2007年6月時点で癌死13例再発生存19例無再発生存7例(うち6例が肝内再発切除症例)不明2例であった.術後2年以内の死亡が7例でうち肝外病変切除例が4例であった.一方2年生存例は15例で体外病変切除例は4例のみであった【結論】RFA後の肝切除は手技的に難度が高くなっており根治性の高い治療が困難になる傾向が認められた.肝外病変は安全に切除可能であったが疾患全体のコントロールには結びつかず予後の改善に寄与しているかどうかは今後検討すべき課題であるRFA継続困難な再発を来した症例は外科治療の効果にも限界があると考えられることから適応の決定には慎重な態度が望まれる
索引用語