セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

210 肝腫瘍の診断における超音波造影剤ソナゾイドの有用性について

演者 鈴木都男(済生会千里病院消化器内科)
共同演者 佐々木一之(済生会千里病院消化器内科), 藤澤慶子(済生会千里病院消化器内科), 有光晶子(済生会千里病院消化器内科), 奥田偉秀(済生会千里病院消化器内科), 中水流正一(済生会千里病院消化器内科), 堀本雅祥(済生会千里病院消化器内科)
抄録 【目的】次世代超音波造影剤のソナゾイドは持続的な超音波造影効果が得られるなどの特長を有している.肝癌などの肝腫瘤性病変の診断についての血流動態把握におけるソナゾイドの有用性をダイナミックCTと比較検討したt【方法】対象:画像診断や病理学的に診断が確定した肝腫瘤性病変25結節(径8-94mm平均20.8±17.7mmうち原発性肝癌20結節平均径149±48mm).造影超音灘査(以下CEUS)にはアロカProsound H SSD-6500を使用したソナゾイド(0.Ol-O.015ml/kgBW)をbolus静注し静注後1分30秒程度までの血管相特に最初の30秒程度までの早期血管相と10分後の後血管相を観察録画した.ほぼ同時期にダイナミックCTを東芝製16列MDCTにて行い血流動態の検出能診断能について比較した.【結果】1早期血管相の血流動態:腫瘍の血流を肝に比してhighかhigh以外というように分類したcEusとcT双方で検出可能であった21結節について「ともにhigh」15例「ともにhigh以外」5例「cT high以外cEus high」1例「cT highcEus high以外」o例であり両者はよく一致した(p=0.OOO3Fisher)2. CEUSの後血管相における血流は18例でlow3例でlow以外でありCTの後期相で20例でlow4例で10w以外であった3原発性肝癌の診断における有用性:20例の肝癌について早期相でhigh後期相(CEUSでは後血管相)でlowという典型的なパターンを呈したものを肝癌と診断するとした場合11例はCEUSとCTの両者で肝癌とされCEUSとCTのいずれか一方で診断可能な例がそれぞれ3例であった.診断がつかなかったうちの2例についてはcEusの早期血管相でlowから徐々にisoとなり後血管相でもisoで生検では高分化型肝癌であった.【結論】ソナゾイドCEUSはダイナミックCTとほぼ同レベルの能力を有していたCTが時間の一断面で腫瘍の血流動態を観察するのに比してCEUSは連続的に観察ができより詳細な検討が可能である.
索引用語