セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

222 当院における水腎症合併消化器進行癌の治療についての検討

演者 高野眞寿(札幌北楡病院消化器科)
共同演者 鈴木美櫻(札幌北楡病院消化器科), 夏井坂光輝(札幌北楡病院消化器科), 露口雅子(札幌北楡病院消化器科), 川村直之(札幌北楡病院消化器科), 工藤峰生(札幌北楡病院消化器科), 斎藤雅雄(開成病院消化器科)
抄録 【目的】消化器癌における水腎症の発症は進行癌の終末期に出現することが多く発症後の予後は不良とされている一方消化器進行癌の治療は今日化学療法や放射線療法の発達により大きく変化し予後が改善されるようになった.そのため水腎症合併症例における腎機能の低下は化学療法の継続が困難になると考えられる.今回当院における消化器癌における水腎症合併症例の治療について検討した.【対象】1998年3月~2007年4月までに水腎症を発症した消化器癌22例のうち解析検討が可能な胃癌9例結腸直腸癌5例の計14例.【成績】男女比4:3平均年齢60才.14山中10例は原発巣の手術を施行した.全例化学療法を施行し手術症例は全例術後に施行した.水腎症に対しては全例尿管ドレナージを施行した.全例tube stentによるドレナージとしt 3ヵ月前後で交換した.Stentトラブルによる感染症はほとんどなく水腎症が死因に直接関連した症例はなかった.ドレナージ前に水腎症に伴う感染等の合併症を有したのは14例中4例で全例ドレナージで合併症は改善した.5例がドレナージ前に血清クレアチニン(Cr)が正常上限を超え全例ドレナージで正常値に改善した.Cr値の平均はドレナー・ジ前1.95mg/dlドレナージ後O.717mg/dlであった.全例ドレナージ後の化学療法の継続が可能だった.【結論】水腎症の治療にtube stentによるドレナージの成績は良好であった.片腎が機能廃絶に至った場合通常の化学療法が困難となることがある.また機能廃絶し無尿となっていても尿路感染は容易に発症し治療に難渋することが多い.以上から水腎症合併消化器進行癌の尿管ドレナージは補助療法として有用性が高いと考えられた.
索引用語