セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

226 食道EMR/ESDの補助治療としてのAPCの有用性

演者 太田正穂(東京女子医科大学消化器外科)
共同演者 中村努(東京女子医科大学消化器外科), 林和彦(東京女子医科大学消化器外科), 成宮孝祐(東京女子医科大学消化器外科), 大木岳志(東京女子医科大学消化器外科), 佐藤拓也(東京女子医科大学消化器外科), 山本雅一(東京女子医科大学消化器外科)
抄録 近年アルゴンプラズマ凝固法(Argon Plasrna Coagulation:以下APC)は各種の内視鏡治療において広く使用されるようになっている.食道表在癌に対する内視鏡的切除は標準的治療として普及しているが局所再発をき.たす場合もあり施行後は定期的な経過観察が必要である.今回EMR/ESDの補助治療としてのAPC焼灼付加の有用性について検討した.<対象>2005年4月~2006年12月にEMR/ESDを行い切除断端に遺残が疑われるか病変境界が至近のためAPC焼灼を付加し病理組織学的に切除断端陽性とされた12例.<方法>EMRはEEMREMRC法ESDはHook・knife法で行いEMR/ESD施行後に先端アタッチメント装着下に切除辺縁の遺残が疑われる部分の粘膜面を焼灼した.出力は60Wアルゴンガス流量は1.8 1/分.施行後は3~6ヶ月毎程度での経過観察の内視鏡を行い局所再発の有無を評価した、〈結果〉平均年齢65.6才男9例女3例.病変長径は24.1mm(10~40mm)で病変周在性は1/4周以下~3/4周であった. EMR/ESDAPCによる偶発症の発生はみとめられなかった.病変は病理組織学的に扁平上皮癌が証明され深達度はml 4例m24例m33例sm11例で脈管侵襲陽性例はなかった.経過観察中EMR+APCで治療範囲が全周におよんだ1例で狭窄をみとめたため拡張術を施行した.対象全例で1年以上の経過観察が行われ局所再発例はなかった.〈結語〉当科では2003年以前のEMR単独治療例で局所再発例が散見されていたがAPC付加EMR/ESD後は局所再発例がみとめられておらずAPC付加治療による予防効果への期待を示唆するものと思われた.
索引用語