| セッション情報 |
一般演題(口演)
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| タイトル |
227 米国におけるバレット腺癌に対する内視鏡的治療戦略:米国UCI留学での経験より
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| 演者 |
松井謙明((株)麻生飯塚病院消化器内科) |
| 共同演者 |
Kenneth J.Chang(GastroenterologyCDDCUCI Medical Center), 赤星和也((株)麻生飯塚病院消化器内科) |
| 抄録 |
米国においては食道癌の中で腺癌は50%以上を占めておりBarrett腺癌に対する治療が日常的に行われているこのため前癌病変ともいうべきBarrett食道さらにその準備状態である逆流性食道炎の段階から積極的に診断治療が行われている。米国UCIで1年間Advanced Endoscopy Fellowとして実際に食道疾患の診断内視鏡治療に携わった経験より米国におけるBarrett腺癌に対する治療戦略の現状について報告する.逆流性食道炎の症例において内視鏡を施行された際びらんの存在の有無とともにBarrett食道の有無の評価が行われる.この時点でPPI抵抗性のGERDは内視鏡的或いは外科的胃酸逆流防止手術を推奨される. Barrett食道を疑われた場合明らかな異常粘膜の他一見正常の粘膜からもsurveiUanceとして同一レベルから4点のランダム生検が2cmおきに行われる生検の結果Barrett食道と診断されたものはフォローアップ内視鏡を推奨されるがBarrett食道の段階でLa-serやAPCなどの内視鏡的焼灼を積極的に行う施設もある.一方生検でdysplasiaが認められた場合明らかな腫瘤を形成する例においては内視鏡的切除が行われるがランダム生検で判明したmi置d dysplasiaではLaserAPCなどによる内視鏡的焼灼をsevere dysplasiaでは内視鏡的PDT(photodynamic therapy)などが考慮される.adenocarcinomaの症例のほとんどは腫瘤形成潰瘍形成などを認め局所的内視鏡治療であるEMRやPDTを施行されるがしばしば周囲に広範なdysplasiaを伴っており上記の治療を追加するまた超音波内視鏡検査でsm以深の浸潤癌が疑われるかリンパ節転移を認めた症例は外科的手術や放射線治療抗がん剤などの集学的治療が選択される.このように米国ではBarrett腺癌の治療は逆流性食道炎Barrett食道の診断及び治療からシステミカルに始まっているのが現状である今後我国でも同疾患の増加が予測され内視鏡診療現場での早急な対応が望まれる. |
| 索引用語 |
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