セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
228 バレット食道癌の至適リンパ節郭清範囲補助化学療法の必要性は?
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演者 |
阿久津泰典(千葉大学大学院医学研究院先端応用外科) |
共同演者 |
松原久裕(千葉大学大学院医学研究院先端応用外科), 岡住慎一(千葉大学大学院医学研究院先端応用外科), 島田英昭(千葉大学大学院医学研究院先端応用外科), 首藤潔彦(千葉大学大学院医学研究院先端応用外科), 白鳥亨(千葉大学大学院医学研究院先端応用外科) |
抄録 |
近年パレット食道の増加にともないパレット食道癌(BEC)の増加も見込まれている.今回我々は外科治療の観点からBECの至適リンパ節(LN)郭清範囲補助療法の必要性について論じてみたい対象は当科で経験した18例のBECである.[1]LN転移と至適郭清範囲:従来BECのLN転移は腹腔方向への流れが中心になるとされ下縦隔郭清の必要性についてはいまだコンセンサスが得られていない.我々の経験したBECの下縦隔方向への転移の検討ではt接合部上またはAeの症例で109R110にLtもしくはそれより口側の症例で1C6rec107109110111112Ao112plに転移がみられた.接合磯上もしくはAeの症例においては下縦隔のみならず中縦隔までLtより口側の症例においては上縦隔までLN郭清が必要であると考えられる.ただしTlb症例では縦隔への転移陽性症例はなかった.[2]予後に影響を及ぼす因子:これまで我々は通常型扁平上皮癌の場合T4LN転移が3領域にまたがるものもしくは5個以上の症例は極めて予後不良であると報告してきた.当科におけるBECでは頚部LN転移T4症例がみられないため今回はLN転移の有無個数(5個以上か未満か)で2群に分け予後を比較した.LN転移の有無(あり/なし)の3年生存率:(46.9%/90.0%)LN転移5個(以上/未満):(40、O%/83.1%)でありLN転移あり数が多いほど予後不良であった[3]再発形式:18例中6例に再発を認めた(5例83。3%に臓器再発3例50.0%にしN再発).特に10個以上の症例3例では3例とも再発を認めておりHigh Risk症例と思われるLN転移を認めなかった10症例でも他臓器再発が2例LN再発が1例を認められた.なお当科のAe食道扁平上皮癌でLN転移がない症例には再発例はなかった.《まとめ》BECにおいても上縦隔の郭清が必要であると考えられる.またしN転移陽性で数が多いものほど予後不良でありさらに転移がなくとも再発例があることから補助化学療法の必要性が示唆された |
索引用語 |
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