セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

230 頚部リンパ節転移を有する胸部食道癌に対する手術治療の検討

演者 佐藤弘(静岡県立静岡がんセンター食道外科)
共同演者 坪佐恭宏(静岡県立静岡がんセンター食道外科)
抄録 【はじめに】頚部リンパ節転移を有する胸部食道癌はUICC分類で臨床病期IVとなる.一般に臨床病期Wは手術治療の対象外となることが多いが頸部リンパ節転移によるM因子の場合は手術治療の対象となる場合があると考えられている.しかしその適応結果意義は明らかでない.【目的】切除可能臨床病期IV胸部食道癌(M因子は頚部リンパ節転移)に対する手術治療のアウトカムを明らかにすること【対象と方法】当院で2002年9月から2005年12月までに治療を開始した頚部リンパ節転移による臨床病期IVで切除可能胸部食道癌は27例.食道外科が手術説明消化器内科が根治的化学放射線療法を説明した後に患者が主体的に治療方法を選択した.手術を希望したのは11例(41%).すべて男性で平均年齢64歳同時期に食道癌手術を施行した症例の14%に相当.Ut1例Mt8例Lt2例.頸部リンパ節転移は101が8例104が3丁目両領域に重複して転移していた症例はなし.これらの症例をretrospectiveに検討した.【結果】手術11例の1年生存率45%2年生存率38%平均観察期間は652日再発生存1例無再発生存3例.再発死亡7例.6例が1年以内に再発死亡.【結論】患者選択ではCRTを希望される割合が多い手術治療で治癒を望める症例もあると考えられる.しかし11例中6例(55%)が1年以内に再発死亡しているため予後を規定する因子のより詳細な検討が必要。今後手術適応を含めた治療方針の見直しが必要と考えられる.
索引用語