セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 232 術前に診断しえた腺癌・扁平上皮癌共存型を伴う食道重複症の一例 |
演者 | 野田育江(県立広島病院消化器内科) |
共同演者 | 渡邊千之(県立広島病院消化器内科), 林亮平(県立広島病院消化器内科), 原田和歌子(県立広島病院内視鏡科), 平本智樹(県立広島病院内視鏡科), 赤木盛久(県立広島病院内視鏡科), 北本幹也(県立広島病院消化器内科), 山田博康(県立広島病院消化器内科), 隅岡正昭(県立広島病院内視鏡科), 今川勝(県立広島病院消化器内科) |
抄録 | 【症例】72才男性.【主訴】発熱心窩部痛.既往歴はH18年11月より肺癌に対して化学療法が施行されていた.【現病歴】H19年5月22日突然の心窩部痛を訴え救急外来を受診した.受診時には左上腹部~膀周囲の圧痛がありWBC 10600/mm3CRP O.4mg/dlと軽度の炎症所見を認めた.腹部CTでは二二隆部背側と接する部位に6×3cmの嚢胞性腫瘤を認めた.胃内視鏡検査では胃体上部後壁に小陥凹を認め嚢胞性腫瘤との交通が疑われた.同部より造影剤を注入したところ内部の壁が不整な嚢胞が造影されCTで指摘された胃壁外嚢胞と一致すると判断した.FDG-PETでは胃弩窪部背側の嚢胞内部の一部に強い集積を認めた.嚢胞内組織の悪性病変を疑い胃体上部後壁の小陥凹より嚢胞内部の組織生検を施行したところModerately differentiated adenocarcLnoma with atypical squamous Iesionの所見があり重複消化管に合併する腺癌と術前診断し当院外科にて胃全摘術を施行した.切除標本では嚢胞内部の胃との痩孔側の約1/2の領域は正常な扁平上皮組織で被覆され嚢胞底部にはverrucoUs carcinomaに類似する高分化なsquamous cell carcinomaとadenocartinomaの共存を認めCo-exis-tence of adenocarcinoma and squamous ce皿carcinomaを伴う食道重複症と診断した.【結語】消化管重複症は舌から肛門までの全消化管に発生しうる先天性疾患である.本症例は胃と交通を認めるものの胃粘膜組織は存在せず扁平上皮組織をともなう嚢胞であり食道重複症と診断した.更に嚢胞内の一部に腺癌・扁平上皮癌共存を伴う症例は我々が検索した限りでは報告例がない.貴重な症例を経験したので報告する. |
索引用語 |