セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

234 食道類基底細胞癌の6切除例

演者 竹村雅至(大阪市立総合医療センター消化器外科)
共同演者 東野正幸(大阪市立総合医療センター消化器外科), 谷村愼哉(大阪市立総合医療センター消化器外科), 福長洋介(大阪市立総合医療センター消化器外科), 田中芳憲(大阪市立総合医療センター消化器外科), 藤原有史(大阪市立総合医療センター消化器外科), 松田恭典(大阪市立総合医療センター消化器外科), 浜川卓也(大阪市立総合医療センター消化器外科), 西口幸雄(大阪市立総合医療センター消化器外科)
抄録 本邦における食道癌はその大部分を扁平上皮癌が占めtその他の癌は少ない.そのうちでも類基底細胞癌は約1%を占めるにすぎず扁平上皮癌に比べ予後は悪いとされているd今回我々の施設で経験した食道類基底細胞癌切除6例を対象に若干の文献的考察を加え報告する.2000年から2007年9月までに当院で根治的食道切除・再建術を行った胸部食道癌症例のうち切除標本の病理組織学的検索で食道類基底細胞癌と診断された6例(男性:3例女性:3例平均年齢:62歳)を対象とした.占居部位はUt:1例・Mt:3例・Lt:2例で術前の生検では5例で扁平上皮癌と診断され1例で類基底細胞癌が疑われた.術前腫瘍マーカーではSCC・CEAともに陽性例は1例のみであった.胸部操作は5例で胸腔鏡下に行い腹部操作も3例で腹腔鏡下に行った.再建は胃管を4例に有茎空腸を2例に用いた.術後合併症は反回神経麻痺・肺炎・縫合不全をそれぞれ1例に認めた.病理組織学的な腫瘍深達度はpTlb;4例・pT3:2例でありリンパ節転移は1例に認めたリンパ管侵襲は1例に脈管侵襲は3例に認めた.再発は4例に認め(pTlb:2例pT3:2例)肺転移:1例・リンパ節再発:3例であった.リンパ節再発例は全例2年以内に再発していた.肺転移を認めた症例では術915日後に恵雨部分切除を行い初回手術2430日後の現在も外来通院中でありリンパ節再発例のうち2例は現在加療中である.リンパ節再発例のうち1例は死亡している.食道類基底細胞癌は表在癌であっても高率に再発し外科的切除のみでは非常に予後不良である.今後本症に対する有効な補助療法の開発が望まれる.
索引用語