セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 237 C型肝炎肝におけるLXRαによる免疫回避機構の検討 |
演者 | 中牟田誠(国立病院機構九州医療センター消化器科) |
共同演者 | 矢田亮子(国立病院機構九州医療センター消化器科), 矢田雅佳(飯塚病院肝臓内科), 藤野達也(国立病院機構九州医療センター検査部), 福泉公仁隆(国立病院機構九州医療センター消化器科), 吉本剛志(国立病院機構九州医療センター消化器科), 武元良祐(国立病院機構九州医療センター消化器科), 宮原稔彦(国立病院機構九州医療センター消化器科), 原田直彦(国立病院機構九州医療センター消化器科), 樋口野日斗(九州大大学院病態制御内科), 加藤正樹(九州大大学院病態制御内科), 古藤和浩(九州大大学院病態制御内科), 遠城寺宗近(九州大大学院病態制御内科) |
抄録 | 【目的】肝炎ウイルスは感染肝細胞維持のために免疫機構からの回避システムを構築しているものと推測される.近年PA28γによるHCVコア蛋白分解産物がLXRct ・ RXRctの転写活性を増強することが報告されている(PNAS 104=16612007).LXRαは脂質代謝のみならず免役系のメディエータでもあり抗アポトーシス作用や抗炎症作用が報告されている.そこで我々はC型肝炎肝におけるLXRαによる免疫抑制作用について検討した【方法】C型慢性肝炎40症例正常肝10症例の肝生検サンプルを用いてLXRαの遺伝子発現と臨床データとの比較検討を行った.【結果】C型慢性肝炎においては有意にLXRαの発現は尤目していた.またLXRα発現量:と血中HCVコァ抗原量は正の相関を示した.脂質代謝に関しては脂肪酸合成酵素であるacetyl-CoA carboxylase発現量と正の相関を示した.一方LXRα発現量は血中ALT値と負の相関を示し同様に組織学的な活動性とも負の相関を示した.【結論1C型慢性肝炎肝においてはHCVは感染に伴う細胞内外からのアポトシースや炎症シグナルをLXRαを介して巧みに回避し感染肝細胞を維持している可能性が示唆された.その一因としてLXRα~api6/Aim/Spa系の関与が考えられ他のシグナル系も含めて現在解析中である.一方LXRαのリガンドはオキシコレステロールでありt我々はすでに慢性C型肝炎におけるコレステロール代謝関連遺伝子発現の解析により肝細胞内のコレステロール貯留の知見も得ておりコア蛋白分解産物のみならずコレステロール貯留によるLXRαの活性化そのものによる抗アポトーシス・抗炎症作用がC型肝炎の病態に大きく関与しているものと推測される. |
索引用語 |