セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 238 C型慢性肝炎患者におけるB細胞HCV感染とリンパ増殖性疾患発症についての検討 |
演者 | 井口桃子(昭和大学医学部第二内科) |
共同演者 | 伊藤敬義(昭和大学医学部第二内科), 森川賢一(昭和大学医学部第二内科), 打越学(昭和大学医学部第二内科), 野沢妃佐子(昭和大学医学部第二内科), 島崎とも江(昭和大学医学部第二内科), 井廻道夫(昭和大学医学部第二内科) |
抄録 | 【目的】C型肝炎ウィルス(HCV)はhepatotropismおよびlymphotro-pismを有しリンパ増殖性疾患(LPD)発症との関連も報告されているが病因論的メカニズムは未だ明らかではない.近年HCVのB細胞に対する直接的・間接的影響が患者内でのB細胞クローン性増殖(clonal・ity)やLPDを発症すると推察されている今回我々はHCVのB細胞への吸着・感染がB細胞clbnality及びLPDに相関するかを検討した.【方法】患者末梢血単核球をCD4+CD8+T細胞CD19+B細胞及びその他に分画しHCV RNA量をreal-time RT-PCR法で定量した.同じ患者のB細胞中免疫グロブリン重鎖(lg一・VH)遺伝子領域をRT-PCR法にて増幅しIg丘ngerprinting法でB細胞clonalityの有無を同定し両者の相関を検討したまたLPD関連マーカー[クリオグロブリン(Cg)リウマチ因子(RF)C4CH50]も測定し比較検討した.【結果】B細胞中HCV RNA陽性率は75例中48例(64.0%)と他のリンパ球分画(CD4+T細胞1L5%;CD8+T細胞13.5%)と比較して高頻度でありかつウイルス量も有意に高値だった.H:CV感染者のB細胞clonalityは75血中8例(10.7%)に認めたが健常対照群28例は全例で陰性だった.B細胞中HCV RNA陽性群と陰性群においてLPD関連マーカーとB細胞clonalityは共に有意差はなかった.またインターフェロン治療後SVRが得られた患者での検討でCg陽性者の全例が陰性化したのに対しRFやCH50B細胞clonalityの異常は一部に残存した.【結論】HCV感染者におけるLPD発症機序としてB細胞へのHCV吸着・感染といった直接的影響以外に他の要因が存在する可能性が示唆された. |
索引用語 |