セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
242 C型肝炎ウイルス自然排除における宿主遺伝子多型に関する研究
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演者 |
田守昭博(大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学) |
共同演者 |
岩井秀司(大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学), 森川浩安(大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学), 榎本大(大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学), 坂口浩樹(大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学), 西口修平(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 河田則文(大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学) |
抄録 |
背景と目的:急性HCV感染では80%に持続感染が成立し慢性肝疾患を発症することが知られている.一方20%の症例では無治療にてHCVが排除される.HCV排除例と慢性感染例との相違については宿主免疫応答の差異や感染後のHCVの変化が寄与するものと推測されるが詳細は不明である.そこで今回我々はHCV自然排除と宿主の遺伝子多型について検討を加えた.対象と方法:当院へ受診した患者の中で遣伝子解析の同意を得たHCV抗体陽性の患者と対象とした.抗ウイルス治療歴がなくHCV RNA定性陰性例をHCV陰性群としHCV RNA持続陽性(HCV陽性群)のC型慢性肝疾患患者と比較検討した.解析した遺伝子は自然免疫に関わるRIG-L VISA(virus-induced signakng adapterIPS-1)と免疫細胞活性化の制御に関係するCD45遺伝子である. RIG-1とVISAについてはHCV陽性群陰性群各々3症例において全エクソンの塩基配列を解析した.その結果から遺伝子多型を認めた配列についてHCV陰性群57名と陽性群100名についてその頻度を検討した.またアジア人で多型が報告されているCD45exon6;A138GについてHCV陰性群39例と陽性群166例を検討した結果:RIG-1では7カ所の多型を認めこの内アミノ酸置換を伴うexon12と5UTRであるexon1について頻度を調べた. VISAでは11ヶ所の多型を認めアミノ酸遣換を伴うexon3exon5について検討した. RIG-I exon12ではHCV陽性群全例でwild型であったがHCV陰性群3例にheteroの多型を検出し統計学的に有意差を認めたcD45A138G多型の頻度はHcv陰性群においてAA(wild);28AG:9GG:2でありHCV陽性群ではAA;114AG:48GG:4であった.結語:少数例ではあるがRIG-1の遺伝子多型がHCV排除と相関する可能性が示唆された. |
索引用語 |
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