セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

244 C型慢性肝炎における瀉血療法時の血清hepcidin値の変化

演者 杉本龍亮(三重大学消化器肝臓内科)
共同演者 藤田尚己(三重大学消化器肝臓内科), 田中淳一郎(三重大学消化器肝臓内科), 浦和尚史(三重大学消化器肝臓内科), 別府徹也(三重大学消化器肝臓内科), 田中秀明(三重大学消化器肝臓内科), 米田健太郎(三重大学消化器肝臓内科), 山本憲彦(三重大学消化器肝臓内科), 岩佐元雄(三重大学消化器肝臓内科), 小林由直(三重大学消化器肝臓内科), 白木克哉(三重大学消化器肝臓内科), 竹井謙之(三重大学消化器肝臓内科), 本西哲(金沢大学自然科学研究科), 友杉直久(金沢医科大学総合医学研究所先進医療研究部門)
抄録 目的:Hepcidinは十二指腸での鉄吸収を抑制するnegative regulatorとして働くホルモンでありその発現部位は主に肝細胞である以前より我々はC型慢性肝炎(CH-C)における鉄過剰に注目しその原因としてのhepcidinの関与潟血療法の有用性を報告してきた.今回CH-Cにおける潟血療法前後での血清hepcidin値を測定したので報告する.方法;対象は潟血療法(潟血量:1800~4200mDを平均12±3ヶ月聞行いその前後で血清hepcidinを測定したCH-C9例(平均年齢54.7±12.4歳M/F=7/2例).測定は既報のごとく(Blood 2006;108:1381-1387)Protein ChipSystem(Ciphergen社)を用い活性型hepcidin-25を測定した.比較の為健常者10名から同様にhepcidin値を測定した結果:治療前の血清hepcidin値は健常者に比しCH-Cで有意に高値であった(912±50、O vs 34.2±15.6 AUP<0.01)t Hepcidinは鉄過剰につれてその発現が充進ずることが解っており本対象患者においてもhepcidin値は血清ferritin値と有意な正の相関関係(r;0.685P<0.01)にあった.そこで鉄過剰に対する相対的なhepcidi11量:をみる為に各症例毎にhepcidin値とfer・ritin値の比を計算すると有意にCH-C群で動感であった(O.33±O.41 vs O.73±0.36Pく0.01).潟血により血清hepcidin値は有意に低下した(9.0±6.0 AUPくO01)がferritin値も低下しその比は潟血前後で有意な変化を認めなかった(0.32±0.17P;0.98)t結論:CH-Cにおいてもhepcidinの発現は鉄動態によって強くregulateされていると思われた(Ferritin値との強い相関関係や潟血により著減することより)しかしCH-Cにおいては鉄過剰量に見合っただけのhepcidinは発現しておらずこの事がCH-Cにみられる鉄過剰の病態に関与している可能性が示唆された
索引用語