セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

250 ISDRとコア領域のアミノ酸変異によるPEG-IFN/Ribavirin併用療法の治療効果予測

演者 坂本穣(山梨大学肝疾患地域先端医療システム学)
共同演者 前川伸哉(山梨大学肝疾患地域先端医療システム学), 雨宮史武(山梨大学第1内科), 北村敬利(山梨大学第1内科), 井上泰輔(山梨大学第1内科), 岡田俊一(山梨大学第1内科), 榎本信幸(山梨大学第1内科)
抄録 【目的】Genotype lb型かつ高ウイルス量のC型慢性肝炎に対する治療はPEG-IFN/Ribavirin(R)併用療法によっても依然難治であり治療効果を事前に予測することが治療方針の決定に重要であるこれまでわれわれはISDR変異数が重要であることを報告してきたがこれにコア領域の変異を加えることでさらに詳細に治療効果予測が可能であるか検討した.【方法12003年12月から当科および関連施設で組織するY-PERSに登録されPEG-IFN(P)+Ribavirin(R)併用を開始した1b症例333例を対象とした【成績】1)症例の内訳は557±9.4歳(19~72歳)M/F=263/70例であった2)ISDRの分布はWild(W)/lntermediate(1)/Mutant(M)が192(58%)/96(29%)/35(11%)であった.3)SVRの判定が可能であった140例のITT解析ではSVR率は45%であった. SVRに寄与する因子につき多変量解析をおこなったが抽出された因子は肝線維化(F2以上)とISDR変異数2個以上で後者はOdds比5.125(p=0.0062)でSVRを規定する最も重要な因子でありSVR率はISDR変異数0・1では38%であるのに対し2個以上では77%であった(p=α001).4)さらに50例に関してはコア領域のアミノ酸変異を検討した.ISDR変異2個以上の7例ではコア70番のアミノ酸がRの野生型全例とQの変異型の75%(3/4)がSVRであった一方ISDR変異数0・1ではコア70番が野生型(R)では75%(21/28)がSVRであるのに対し変異型(Q)の15例全例がNu皿responseのための治療中断例ないしは完遂例でも非SVRであった【結論】1b型のPEG-IFN/R療法ではISDR変異数はSVRと強く関連し変異数2個以上では高いSVRは期待できる一方0・1個変異ではコア70番のアミノ酸が野生型(R)であればSVRが期待でききるものの変異型(Q)ではSVRは期待できずISDRに加えコア領域のアミノ酸変異が治療効果予測因子として極めて重要であることが明らかになった.
索引用語