セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

251 PEGIFN/リバビリン併用療法におけるリバビリンadherenceの重要性-若年者と高齢者の比較-

演者 多田慎一郎(慶應義塾大学医学部消化器内科)
共同演者 尾城啓輔(慶應義塾大学医学部消化器内科), 海老沼浩利(慶應義塾大学医学部消化器内科), 斎藤英胤(慶應義塾大学医学部消化器内科), 西田次郎(東京歯科大学市川病院), 増田哲也(日本鋼管病院), 稲垣恭孝(日本鋼管病院), 熊谷直樹(北里研究所病院), 日比紀文(慶應義塾大学医学部消化器内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎(CHC)患者では高齢者においても発癌や線維化の進行からウイルス駆除は重要であるがPEG IFN/リバビリン(RBV)療法の適応や治療法は議論が分かれる.今回PEG IFN/RBV療法を開始しSVRが判定可能な1型高ウイルス量患者の解析を行いt高齢患者に対する治療の問題点と今後の方向性を検討した.【方法】PEG IFN/RBV療法を開始されたCHC患者171例中高齢者と若年者の差を明確にするために55歳未満の若年者60例と60歳以上の高齢者77例の2群で検討した.【結果1治療開始12週でのHcv RNA陰性化率は若年者741%vs高齢者58.3%と高齢者で低い傾向があったが治療終了時には89.1%vs 86.5%と差を認めなかった.しかしSVR率は56.7%vs 36.4%と高齢者で有意に低かった.治療前因子の検討では高齢者において赤血球数ヘモグロビン(恥)血小板数が有意に低くRBV adherenceも有意に低かったしかし高齢者では女性が有意に多く性差が治療効果に影響している可能性もあり男性に限り同様の検討を行った.若年者48例高齢者44例を解析したところSVR率は60.4%vs 47、7%と高齢者で有意に低かった.高齢男性においても赤血球数Hb値血小板数が有意に低くRBV ad-herenceも有意に低かった.これら結果から高齢者における治療前赤血球数Hb値がRBV adherenceの低下さらにはSVR率の低下に関与している可能性が考えられた.一方で治療中の血球系の低下は高齢者で前値は低いものの低下率は有意差を認めず薬剤の中止率も有意差はなかった.【結論】高齢者におけるPEG IFN/RBV療法は症例を選べば若年層と変わらず施行できるが治療効果は低くその原因としてRBV adherenceの低下が考えられた. RBV adherenceが維持できなかった症例では治療期間延長などを考慮する必要があると考えられた
索引用語