セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 257 血中・肝組織中HCV-RNA量とIFN治療効果の関連についての検討 |
演者 | 奥村明彦(厚生連海南病院消化器科) |
共同演者 | 渡邉一正(厚生連海南病院消化器科), 佐々木諭実彦(厚生連海南病院消化器科), 水谷哲也(厚生連海南病院消化器科), 國井伸(厚生連海南病院消化器科), 久保田稔(厚生連海南病院消化器科), 山剛基(厚生連海南病院消化器科), 阿知波宏一(厚生連海南病院消化器科) |
抄録 | 【背景と目的】C型慢性肝炎に対するIFN治療では投与終了時に血中のウイルスが消失していても30%以上の症例でウイルスが再出現する.これは肝組織中には少量のウイルスが残存しリザーバーの役割を果たしているためと考えられている今回我々は肝組織中のHCV-RNA量と血中のHCV-RNA量との関連を検討するとともにこれらのHCV-RNA量と治療効果について検討を行った.【対象と方法】C型慢性肝炎患者50症例(男性:女性=29:21)を対象としたセロタイプ1型:2型=37:13平均年齢は54±12(歳)であった.IFN治療開始前に肝生検を実施し得られた肝組織から1~3つの約2mmの組織図を採取した同時に末梢血を採取しそれぞれからRNAを抽出しリアルタイムPCR法によりHCV-RNAの定量を行った【結果】肝組織中には血中の1.9倍~675倍のHCV-RNA(平均83.6倍)が存在した.血中・肝組織中のHCV-RNA量はセロタイプ1型が2型に比べて多かったが線維化の進展度とは有意な関連がみられなかった肝組織中のHCV-RNA量と血中のHCV-RNA量の比(Liver/serum)を算出してセロタイプ1型と2型の両者間での比較を行ったが有意差は認められなかった.しかしながらLiver/Serumは線維化の進行とともに低くなる傾向が認められた.治療効果とHCV-RNA量の関係についてHCV-RNAが治療開始後12週までに陰性化した早期消失群と後期・非消失群の2群間で比較を行ったところ血中HCV-RNA量は両群間で有意な差は見られなかったが肝組織中のHCV-RNA量は早期消失群で有意に少なかった. Liver/Serumについては両群間に差がみられなかった.【結論】IFN治療の効果は肝組織中のHCV-RNA量と関連している可能性が示唆された.また肝組織中と血中のHCV-RNA量の関係は個体差が大きく一定の傾向が得にくいため治療期間等の方針を決定する際には現行の測定法による血中のHCV-RNA量以外の新たな指標が必要であると考えられる. |
索引用語 |