セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

260 ASQ(Acoustical structure quantification)とFibroscanを用いた非侵襲的肝性状診断

演者 本合泰(大阪医科大学第二内科)
共同演者 藤原新也(大阪医科大学第二内科), 宮地克彦(大阪医科大学第二内科), 朝井章(大阪医科大学第一内科), 福井秀雄(大阪医科大学第一内科), 津田泰宏(大阪医科大学第一内科), 福田彰(大阪医科大学第一内科), 神山直久(東芝メディカル(株)超音波事業部), 樋口和秀(大阪医科大学第二内科)
抄録 【目的】肝の性状の非侵襲的検査としてFibroscanが存在するが我々はt生体内音響的特徴量の定量化ツール:ASQ(Acoustical structure quaritification東芝)の研究を開始している.Fibroscanでは正常肝の平均は5.5kPa肝硬変になると14.6kPa以上とされている. ASQは超音波のBモードの振幅raw dataに対してスペックルパタンの均一性/粗雑性の統計的定量化を行うものである.超音波画像を得た後に解析する非侵襲的検査法であり肝臓のざらつき度を定量化できると考える今回t正常肝における基礎データを報告する.【対象と方法】対象は肝酵素正常のHBVHCV陰性者である.超音波で異常のない正常群と脂肪肝と診断される脂肪肝群に分け検討した.正常群は38例(20歳~59歳男女比9=29)であり脂肪肝群は8例(41歳~58歳男女比6:2)であった.肝弾性度はFibroscanにて測定しASQは東芝SSA-770(Aplio)試作機を用いた.【成績】正常群での肝弾性度は2.8~18.6kPa平均5.OkPaであった. ASQは120~147で平均133.5であった.脂肪肝群での肝弾性度は3.4~12。3kPa平均59kPaであったASQは110~140で平均120.0であった.正常群で肝弾性度が高値をとるものは肋間の狭い痩せ型と皮下脂肪の厚いいわゆるFibroscanの取りづらい体型であった.正常でASQが140以上は11例ありすべて皮下脂肪の薄い女性であった.【結論】正常群脂肪肝群ともに肝弾性度は安定した値をとるが高値を呈するのはFibroscanの取りづらい体型を有していた.ASQはやせた女性で高値を取る可能性があるが通常の超音波Bモードスキャンで肝内グリソンが目立ち粗雑に見える点に矛盾しないと考える.さらにASQは脂肪肝の診断に有用と思われる.非侵襲的なASQとFibroscanを用い肝臓の性状診断を行い得る可能性が示唆された.
索引用語